【病苦(1)】
仏教に教えられる『四苦』(人間が避けられない四つの大きな苦しみ)の一つが『病苦』です。
文字通り、病気の苦しみのことです。
「病」という字は「やまいだれ」の中に「丙」と書きますが、
これは「どの病も甲乙つけがたい」から「丙」と書くのだそうです。
病気になると、かかった人は「自分の病気が一番辛い、こんな辛い病気は他にない」と思います。
リウマチの人は
「手足の痛みが激しくリウマチほど辛いものはない、何の因果で自分はこんな病気にかかったのか」
と我身の境遇を呪います。
めまいで苦しむ人は、
「朝から部屋がぐるぐる回って気持ち悪くて仕事どころではない、こんな嫌な病気はない、どうして私ばかりがこんな目に」
と悩みます。
このように、自分の病気ほど辛いものはないと病気にかかった人は皆思うところから
病は甲乙つけがたし、よって「丙」、なのですが、
漢字のつくりからも病気のつらさがよく分かりますね。
しかし数ある病の中でも「死にいたる病」は別格です。
人間ドックの再検査で「末期ガン」と宣告された人から聞いたことですが、
あまりのショックで放心状態になり、
解離性健忘というのだそうですが、
電車に乗り、家に帰るまでの記憶が全くなく、いつの間にか家に帰っていたそうです。
夜も寝付けず、朝方少し眠り、目覚めたとき
「ああ、宣告は夢でなかったんだ」と改めて現実だと思い知らされ、
いまだ経験したことのないつらい思いが襲ってきたといいます。
先ほど自分の病が一番つらいとみな思うと言いましたが、
いったん死ぬ可能性のある病気にかかると、
リウマチやめまいも嫌だったけど、これと比べたら他愛もないものだった、と知らされます。
いったんそのような病気になると、
それまで人間関係が面倒だとか、貧乏を馬鹿にされるのが嫌だとか、色々な悩みがあったのがどこへやら、
ただ願うのは、とにかくこの病気を治したい、と一心になります。
目を背けたいことではありますが、生きていく以上避けることのできない苦しみの一つなので、
お釈迦さまは四苦(生・老・病・死)の一つに数えられています。
この生・老・病・死を超えた真の幸福とは何か、これ一つ説かれているのが仏教です。
以下は老病死を超えた幸福とは何か、一つの角度からお話しした内容です。
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