親鸞に学ぶ幸福論

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死の縁無量なり。疫病と仏教

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【生死の一大事(3)】


アメリカ、ヨーロッパでの新型コロナウィルスの蔓延が深刻です。

メルケル首相が国民に向けて切迫したメッセージを出しました。

「東西ドイツ統一以来、いいえ、第二次世界大戦以来、我が国においてこれほどまでに一致団結を要する挑戦はなかったのです」

G7首脳による緊急テレビ会議がなされ、

各国の科学者は薬品とワクチンを発見できるよう研究に没頭し、

世界はウィルスという見えない敵に勝利しようと現在死力を尽くしています。

 

しかしたとえ薬品とワクチンが開発されてこの度の騒動が収束に向かっても、

ウィルスはコロナだけでなく、いったん流行すれば

今日のグローバル化した世界において致命的なダメージをもたらすことは明確になったので、

今後こうなる前にいかに食い止めるか、対策が求められます。

 

さらにいえば世の中に私たちの生命と生活を脅かす深刻な問題はコロナだけではありません。

地球温暖化、世界恐慌、核ミサイル、地震、噴火、癌、エイズ、脳梗塞、原発事故、テロ、通り魔……

 


覚如上人はこう言われています。

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死の縁無量なり、

病におかされて死する者もあり、

剣にあたりて死する者もあり、

水に溺れて死する者もあり、

火に焼けて死する者あり、

乃至寢死する者もあり、

酒狂して死するたぐひあり(執持鈔)

ーーーーー

死ぬ縁、きっかけは無限とある、と教えられます。

 

「病におかされて死する者もあり」

これは病死する人のこと、

コロナウィルスで死ぬ人はここに入りますし、

がんや脳梗塞、心疾患で死ぬ人もこれです。

 

「剣にあたりて死する者もあり」

刀で斬られて死ぬ人のことです。

今なら通り魔に刺されて死ぬような人のことです。

 

「水に溺れて死する者もあり」

津波などの水害で死んでいく人、風呂場で意識を失って溺死する人も多くあります。

 

「火に焼けて死する者あり」

火事で火や煙に巻き込まれて死ぬ人です。

 

「乃至寢死する者もあり」

昨夜、今日はひどく疲れた、と早めに休んだ主人が朝になっても起きてこない。

おかしいなと起こしに行ったら、冷たくなっていた、というのもあります。

 

「酒狂して死するたぐひあり」

急性アルコール中毒で意識を失い、救急車で運ばれ、帰らぬ人となる人もあります。

 

ここなら安心だというところはどこにもありません。

「死の縁無量」です。

無限とある死の縁がいつふりかかるか、誰にも分かりません。

だから「更にのがるべきにあらず」、絶対に逃れられないのだと教えられています。

新型コロナから逃れることはできても、

あるいは核戦争やがんや震災から逃れることができても

色替え、形を変え、必ず死は忍び寄ってきます。

ならば人間にとって真の一大事は

「必ず死なねばならない人間存在」そのものではないか、と仏教は説き明かすのです。

 

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