【自因自果(2)】
コロナウィルスの影響で深刻な景気悪化で、
飲食業や旅行業は大打撃ですが、
今後ますます経営不振の波は各方面の企業に及びそうです。
これはバブル崩壊のときも、リーマンショックの際も繰り返されたことですが、
会社の収益が上がらないとき、きまって社内で起きることがあります。
それは、以下の3つです。
1.社長が幹部重役の落ち度を責める
2.幹部重役は管理職の社員を叱咤する
3.管理職の社員は社員を追い詰める
この1~3は、社内全体にギスギスした空気を蔓延させるので、
よけい収益が上がらなくなり、さらなる1~3が始まります。
これはあらゆる会社が陥りやすい負のスパイラルです。
もしあなたが上の立場にあたる社長、幹部、管理職なら、
部下を責めることに何の意味もないことを胸に刻むべきです。
それは単に「私は責任がない無力な被害者だ」と
周りにアピールしているようなものです。
自らの行動する力を放棄していることになり、
部下に影響を及ぼす力もなくなっていくだけです。
部下をとがめ、批判し続ければ、
やがて部下は心を閉ざし、自分のミスや営業成績の悪さまでも、
「あんな上司の元ではこうなって当然だ」と
あなたの言動を理由に正当化していくことになるでしょう。
部下の問題点を責めるという言動は、
あなたが問題だと思っている部下の言動よりも、ずっと問題であり、有害なのです。
仏教では一切は『自因自果』であると説きます。
自分が受ける一切の結果はすべて己のまいた種まきの結果である、ということです。
自分のまいた者は自分が刈り取らなければなりません。
ほかの人のせいにはできません。
自分がこんな目に遭うのは、あいつのせいだ、こいつのせいだ、と
人のせいで苦しんでいると思考するのを『他因自果』といいます。
この『他因自果』の思考から『自因自果』の思考へと「回れ右」することで、
人生はがらりと好転します。
特に人の上に立つ者に求められる者はここを「回れ右」できるかどうか、
の覚悟と勇気が求められます。