【有無同然(1)】
最近「在宅困難者」なる言葉が広がりつつあります。
コロナによるテレワークで1日中家にいる夫が妻に相当のストレスを強いていて、
それを察した夫が家に居づらい現象が起きているというのです。
国は「家にいろ」というし、
うちの妻は「家にいてほしくない」と態度で訴えてくるし、
どこにいても責められている、居場所がない、
と途方に暮れるかわいそうなお父さんが増えているみたいです。
それがエスカレートした事例が「コロナDV」「コロナ離婚」です。
家にこもる生活でお互いのストレスがたまり、
経済的不安も追い打ちをかけて、ケンカが増え、
夫が妻に暴力を振るう「コロナDV」。
国連も事態を重視し、各国に対策を求めています。
一緒にいる時間が増えたことで「お互いわかり合えた」なら結構なのですが、
「やっぱりこの人と一緒にやっていくのは無理だわ」となるケースが多いらしく、
弁護士相談などからも、今後裁判所が再開したら「コロナ離婚」が殺到する見込みだとのこと。
サラリーマンなら誰もが憧れる夢の在宅ワーク、
どうせうちの会社は無理だ、と言っていたのが、
このたびのコロナ自粛は実現させたはずです。
これで人間関係で煩わされることない!
出勤のストレスもなくなった!
家族と一緒にいてやれる!
とあんなに憧れていたのはいったい何だったのか、
「こんなはずではなかった」と戸惑う人が多くあります。
人は環境が変わって何かの苦しみを解決すると、
またその違った環境で今までと違った苦しみと対面する、と仏教で説かれています。
ちょうど右肩の荷物を左肩に移し替えると
一時的にはラクになったように感じますが、
やがて今度は左肩が痛くなってくるようなものです。
これが手に入れば幸せと思っていたのに、
やっと手に入れると、今度は別のところで不満や不安が出てくる。
こんな人間の実態を「有無同然」と釈迦は説かれています。
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