【悪口(3)】
SNS誹謗中傷の事件を通して2回にわたって「語殺」「悪口」について話をしたところ、以下のようなご感想、ご質問をいただきました。
「SNS誹謗中傷の対策、おもしろかったです。
確かに実名だったらしないよなあ、人間ってつくづく周りからいい人に思われたいんだな、と思いました。
新しい職場でいろいろ不慣れな私に教えてくれる親切な方があるのですが、最近になってその人から職場の人の悪口を聞かされることが多くなってます。
聞かされるうちに私までその人に悪いイメージがついてしまい、その人を避けてしまっていたのですが、先日ちょっと話をする機会があり、悪い人のようには思えず、わからなくなってしまいました。
これからもその人の悪口を聞かされるのは気が滅入ります」
これはよくあることかと思います。
悪口を言うのは悪い種まきですが、聞かされるのも嫌なものですね。
仰る通りイメージがついてしまいますので。
ではそのイメージにとらわれないためにはどうしたらいいか。
悪口を言う人がどんな気持ちで言葉を発しているか、を考えてみたらいいのです。
仏教では「その人の言動の元にはその人の心がある」と説かれます。
悪口にもその人にそう言わせる心がある、ということです。
たいていそれは「自分のしたいことがその人に邪魔されている怒り」、もしくは「人を見下す慢心」が原因です。
悪口の原動力となっているその人の心は何か、それを知るとその人の発する悪口にも振り回されなくなることと思います。
これは選挙戦でもいえます。
他の候補者をけなすネガティブキャンペーン、ウソの報道で相手を貶めるフェイクニュースは、この度の都知事選でもSNSに横行してます。
これを鵜呑みにして思い込んでしまい、人にまでその情報を流し、害を広げることに加担することもあるので、注意しなければなりません。
前の米大統領選でもワシントンのピザ店を根城にヒラリー・クリントン氏の児童買春組織があるとするフェイクニュースを信じたトランプ支持者の男がライフル銃をピザ店に発砲し、逮捕される事件も起きています。
私たちはこんな思い込みに振り回されないためにはどうしたらいいでしょうか。
その場合も「この人たちは何でこういう悪口を言うのだろう」と、その人にしてそう言わせる背景を考えてみるといいかと思います。
選挙で他の候補者をけなすのは、自分の推す候補者を当選させたいためでしょう。
そうすれば相当その人に得になることがあるからでしょう。
慢心からくる悪口もよくあります。
頭がきれる経営者、稼ぎ方知っているビジネスパーソンの中で、他人のことを「頭悪い」とか「バカ」だの「クソ」だの言う人ありますが、しかも悦に入って口にしている感もあるのがわかると、あれは「慢心」がそう言わせているんだとわかります。
「いや、あえて過激な言い方をしている」という人もありますが、それならそれで名誉欲と財欲がそういった悪口を言わせている、ということになります。
それにしても私は思うのですが、こういった見苦しい悪口がビジネスでは横行しているのはなんででしょうか。
足の速いアスリートが「あの人は足が遅い」とか、女優が「あの人はブスだ」とか言わないのに、なぜかビジネスではこういう見下し発言がここかしこで見られるんですよね。
いずれにせよ悪口は本当でないことが相当あり、針を棒のように語っているのもよくあることなので、それを心得る事がまず大事かと思います。
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