【出世本懐(1)】
北海道、富良野の公園に『46億年・地球の道』があります。
地球46億年の歴史を460mの距離に置き換えた道で、
インストラクターによる解説を聞きながら歩き、
過去に起きた地球の壮大な物語に思いを馳せます。
そして道の終点で、長い歴史によって築かれた地球の環境が、
人類登場後のほんのわずかな時間によって大きく変わっていることを実感し、
切迫した地球温暖化問題や海洋汚染など考えさせられるそうです。
人類登場以来の歴史も「ほんのわずかな時間」と捉える地球史においては、
人間の命などまさに瞬きほどです。
このはかない一瞬の人生を、私たちは何のために生きるのでしょうか。
明治36年、旧制一高(現・東大)の学生、藤村操は
日光・華厳の滝の上のミズナラの大樹を削って墨書した後
滝に身を投げました。
木に刻まれた彼の遺書はこうでした。
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悠々たるかな、天壌。遼々たるかな、古今。
五尺の小躯を以て、この大をはからむとす
ホレーショの哲学、ついに何等のオーソリティーを値するものぞ
万有の真相は、唯だ一言にしてつくす
曰く「不可解」。
我この恨を懐いて煩悶、終に死を決するに至る。
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彼もまた夢幻のような人生に何の意味があるのか、考えた一人なのでしょう。
果てしない宇宙に浮かぶ塵のような地球上に、
またたきほどの瞬間だけ生きている私は、
何をなすべきか。
星空は悠遠の彼処から、生きた説法をしています。
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