【縁(1)】
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元プロ野球選手の清原氏の言っていたことで心に残ったことがあります。
彼は薬物で逮捕されて以来、警察からよく職務質問を受けるそうで、時には「薬物の尿検査してもらえますか」と、その場で検査させられることもあるそうです。
それがすごく屈辱的で、当初はひどく落ち込んだとのことですが、今は気持ちが変わったそうです。
こうして警察が職務質問して抜き打ちで検査してくれるからこそ、再び覚せい剤に手を出さなくて済んでいるんだ、再犯しないよう支えてくれているありがたい存在だ、と思うようになったというのです。
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清原氏の場合、大きな身体で目立つし、国民誰もが顔を知っているし、覚せい剤を使っていたことも周知されているので、警察が職質するのでしょう。
一般人が覚せい剤で逮捕され、刑期を終えて町を歩いていても、誰からも顔を知られていないので、職質を受けたりすることはありません。
しかし清原氏は違います。
「あっ、あの清原だ。本当にあいつ、今はやっていないんだろうか」と警察もマスコミも鵜の目鷹の目で群がってきます。
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この針のむしろ状態の衆人環視は、さぞ精神的につらいだろうな、ストレスだろうな、と同情しますが、彼はそこを「こういう立場だから再犯しなくて済んでいると感謝している」と言うのですから、これはなかなか言えることではないし、本当にその通りだなとも思いました。
覚せい剤の再犯率が高いのは、それだけ強烈な依存性があるからです。
これは精神力や決意で何ともなるものではありません。
断ち切るには絶対に再び手を出せない強制的な環境設定をするしかないのですが、それでも難しく、何度も刑務所を行き来することになる人がほとんどです。
その点、彼は国民みなに守ってもらえている立場といえますから、他の覚せい剤逮捕経験ある人より有利で恵まれているな、と思います。
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