古代において地中海に覇を唱えたローマ帝国は
「ローマは兵站で勝つ」
といわれました。
兵站とは武器弾薬、食料、燃料などの調達などのことです。
だからこそあれだけの広大な領土を
長期にわたって支配することができたのでしょう。
日露戦争の際もバルチック艦隊との日本海海戦も
兵站の重要性から、必勝が義務付けられていました。
たとえ敵を敗走させ、局地戦で勝利しても、
制海権をロシアに奪われたら
日本から物資を運べず、
多くの日本兵が朝鮮半島で孤立し、疲弊してしまい、
戦争には勝てないからです。
自分は仏教を人にお伝えする立場なので、
兵站とは言いませんが、
私にとっては説法の場が戦場になります。
そのための準備にこそ時間、労力をかけなければならないことは
日々知らされます。
仏教講師として駆け出しのころは2時間の話しをするのに、
原稿を作り、暗記するくらいに推敲し、
一日中準備して臨んだものですが、
慣れてくると準備がぞんざいになってしまうことを
反省させられます。
人の見えないところでの地道な実践を軽視してはならない、
自己研鑽を怠ることは出来ない
と常に自戒してまいります。