■仏教を学ばれると
『五劫の間』とか
『十劫の昔』といった単位の言葉を
目にされることもあると思います。
この『劫』とは、
無限数をあらわす単位の名です。
四十里四方の大盤石を
天人が百年毎に
羽衣でふれて磨し、
これによって消滅しても
未だつきない程の長期間を指し
これを『盤石劫』といっています。
あるいは、四十里四方の大倉庫に芥子を充たし、
百年毎に一粒づつ取り出して、
つきない程の長期とするを
『芥子劫』といっています。
いずれにしても天文学的な数字であり、
大変な長時間であることには間違いないのですが、
私たちの時間の感覚で考えることはできません。
【かげろうは明日を知らず
セミは春秋を知らず】
人間の一生と動物の一生とが
同じ長さに感じられないことからも
わかります。
■天文学上、客観的に見ても、
一年とか一日とか云うことは
天体の種類によって
一様ではありません。
それぞれの軌道を異にして
運行が違うからです。
地球では1年を365日と5時間49分とし、
1日を24時間としていますが、
金星の自転する1日は
地球の1年に等しい程ゆっくりしたものである。
火星の自転する1日は
24時間37分22秒であるから、
ほぼ地球の1日と同じです。
これが木星になると
地球よりも32倍も大きいのに
僅かに9時間50分で自転を終るから
木星の1日は
地球の9時間50分です。
このように全宇宙の1日とか1年といっても、
凡て我々のこの地球のものと
同じものではありません。
■さらに時の経つ早さは
心理的影響によって大きく異なります。
フランスの心理学者、ジャネーが提唱した、
「ジャネーの法則」では、
「主観的に記憶される年月の長さは、
年少者にはより長く、
年長者にはより短く評価される」と
いう現象を心理学的に解明しました。
例えば、ジャネーによれば、
5歳の時に過ごした1年間と、
50歳で過ごす10年間が、
実感としては同じ長さだと言っています。
確かに年々月日が経つのが早くなることにうすら寒い心地がします。
■さらに時間の概念は
アインシュタインの登場により、
絶対性を失います。
相対性理論は
光速に近づくと、
時間の経つのが遅くなるという
衝撃的な内容でした。
■私たちの感覚では捉えきれない、
悠遠の時の流れの中に展開されている教えが
仏教です。
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