【瞋恚(しんい)(6)】
ニュースで「溶岩ドーム」という言葉を耳にしました。
噴火口が溶岩によってフタをされてしまい、
中の火山ガスに圧がかかって、
ふたがドームのように浮き上がっている状態のことです。
フタをされた状態で
どんどん中の圧が強くなり、
やがて大噴火を引き起こす、とのこと。
■わたしたちも怒りが爆発したくなるときでも、
「ここで怒ってはいけない」
と噴火口にふたをして、必死で抑えます。
怒ってみても
相手が受け止められるはずがない、
余計こじれるだけだ、と
経験則からも分かりますので、
怒りを抑えよう抑えようとします。
■怒っている人が周りにいるだけで、
怒られている当事者でなくても
気分が悪いものです。
つい先日、みどりの窓口で
大声で怒鳴っている中年男性を
池袋で見かけたのですが、
大人気ない理由で怒っている姿は
自分自身、不快に思いましたし、
後ろに並んでいる人たちも顔をしかめておりました。
なんであれ、怒っている人が近くにいるだけで、
腫れ物を触るように気を使わなければならなくなり、
気が滅入ってきます。
夫婦けんかの絶えない家の子供は、
とても心が暗くなります。
子供は無邪気に自慢話したり、
テレビの主人公の真似をして飛び跳ねたいのに、
両親がけんかしていると
敏感に空気を察知して、口数も少なくなり、
陰気になります。
■怒って得することは一つもないので、
怒らないようにしようと努めるのですが、
それはちょうど噴火口にふたをしている状態です。
どんどん圧が加わってきます。
「あの時、あんな事いわれた。」
「あの時はあんなことされた。」
「お礼一つない。」
「自分の非を少しも認めないのか。」
と心の中に怒りのガスが圧縮されて
フタがドームのようにふくらんできます。
そしてある時、「もう我慢できん!!」と大噴火。
避難勧告で周りの人、全員退去です。
周囲は焼け野原となり
火山灰はその後にわたって
周囲を埋め尽くしていきます。
そう考えたら、あまり我慢し、
フタをし続けるのも考えものか。。。
小爆発をちょこちょこ繰り返したらいいのか。
あなたはどう思われますか
これは今後の課題です、人類全体の。
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