親鸞に学ぶ幸福論

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相模原障害者殺傷事件の植松容疑者に正当性はあるか

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【人身受け難し(1)】

 

■殺人事件としては 平成に入って最悪の被害といわれる

相模原障がい者殺傷事件の容疑者の発言が物議を醸しています。

「障がい者は いらない」

「税金の無駄」

「意思疎通ができない重度の障がい者は生きていてもしょうがない」

「障がい者に使うお金をなくし、世界にお金が回るようにしたい」

逮捕されてから一貫して、障害者への殺傷行為の「正当性」を

主張しています。

彼が、正当だと信じているその思いが

ハッキリ間違いであることを、

あなたならどう言ってわからせますか。

 

「あんな殺人を犯せるのはおかしい、

あんな発想をする者は、どうかしてる」

と異常者扱いして片付けていい問題ではありません。

彼の主張をきちんと彼が納得できる形で否定できる人があれば、

あの惨事はなかったといえます。

 

■ナチスは、ユダヤ人を収容所に送り、ガス室に送って

大量殺人するという非人道的な罪を犯しました。

その時、こちらはあまり知られていないことですが、

多くの障がい者もガス室へ送っています。

障がい者は社会には「無用」であり、

ドイツの発展のためにマイナスである、

よって生きる価値なしとの判断によるものでした。

ヒトラーも、ナチスも、それを支援したドイツ国民も、

信念に基づいて、そのような政策を冷静に判断しています。

あの時の彼らのまちがいをはっきりとわからせるには、

どうしたよかったか。

ヒトラーも、あの時のドイツ国民もどうかしてた、

で片付けていい問題ではありません。

 

■実はこの問題、身近なところにもあります。

高齢者の介護に使う日本の医療費は、今後ますます増えていきます。

そのしわ寄せで、税金は高くなる、年金ももらえない、となり、

消費の冷え込み、少子化の加速と問題が多いのに、

なぜ、寝たきりの老人をいつまでも延命させるのか、

これも本質的には同じ問題です。

「なぜ人は生きるのか」「なぜ人を生かすのか」

ここが問われているのです。

 

■「人命は地球より重い」といわれますが、

なぜ尊いのでしょう。

そう言われているから、そうなんでしょう、と

ぼんやりしているから、

このたびの事件のような者が後を絶たないのです。

 

■釈迦は、人間は生きなければならない尊厳な理由があることを

「人身受け難し 今すでに受く」と説かれています。

「人間に生を受けたことに、こんな尊厳な意味があったのか」と

知らされる仏教の教えが希求されています。

 

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