【相対の幸福(2)】
幸せは心の問題だから指標では表せません。
「おれの幸せ何グラムくらいかな」
「おまえの幸せ、何センチ伸びたね」とか
数値ではもう決められません。
モノなら数値化できますが、
幸福は心のことだから客観的に測れません。
幸福は自分の心が、誰と比較するか、何と比較するかによって、
変動します。
そういう幸福の特徴から、
仏教では「相対の幸福」といいます。
一例を挙げましょう、
職場で10人のチームの一員に選ばれ、
一つのプロジェクトに取り組み、利益をもたらした。
その後、部長に一人だけこっそり呼ばれ
「君はこのたびのプロジェクトで頑張ってくれた。
ありがとう。ささやかだけど、これで美味しいものでも食べてくれ」
と封筒を渡された。
中を空けてみると、1万円入っていた。
部長が自分のことを認めてくれたことがうれしく、
自分へのご褒美で、美味しいものを食べた幸せな一日だった。
ところが数日後、実はチーム全員、
部長から、感謝の言葉と封筒をもらっていたのを知った。
ただ封筒の中身が違った。
なんと自分以外の9人は、5万円貰っていたのだ。
それを知った瞬間、今までの幸福感はどこへやら、
「なんでオレだけがこんなに冷遇されなければならないのか」
と不満になり、
「何かオレだけ失敗でもしたかな」
と不安にもなり、ブルーな気持ちに支配されてしまった。
この話で登場する「一万円」そのものは、
幸福でも不幸でもありません。
「誰も貰っていないのに、自分だけ渡された一万円」は幸福ですが、
「皆が5万円貰ったのに、自分だけ一万円」だったら、不幸です。
自分の心が、誰と比較するか、何と比較するか、によって、
一気に幸福になったり、不幸になったりします。
これはお金や評価だけでなく、何においても当てはまる、
幸福の特徴です。
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