親鸞に学ぶ幸福論

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白くして、白くして、それでも黒が残るかどうかだ

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【我慢(2)】


30代の女性が突然

「夫が別人と入れ替わり、自分を殺すつもりだ」と、

実家の両親や友人に訴えるようになり、

まもなく精神科病棟に入院した、という話を聞きました。

 

このような極端な思い込みはそうそうないですが、

日常生活でも、ろくに検証できていないことを

「間違いない」と思い込んでしまうことが

多かれ、少なかれ、どんな人にでもあると思います。

 

以下は、警視庁詰めの記者が先輩記者から受けるアドバイスです。

「先入観を持って事件に当たるなよ。

黒だなと思ったら白くするんだ。

白くして白くして、それでも黒が残るかどうかだ。

逆に白だなと思ったら、黒くするんだ。

黒くして黒くしてそれでも白が残るかどうかだ」

 

いったん自分の頭の中で、事件のストーリーがひらめくと

刑事ドラマの主人公になったかのような高揚感があり、

手柄心にあおられて、捜査も、聞き込みも、取材も、

そのストーリーに合わせよう、合わせようとしてしまい、

その結果、重大な証拠や証言を見逃してしまうのです。

これは誰でも犯す失敗だから、先輩から後輩へ

こうしたアドバイスが受け継がれるのでしょう。

 

ビジネスも同じことがいえます。

自分の考えついたビジネスモデルに固執してしまい、

そのアイデアを補強するような学説やデータの資料ばかりを集め、

周りを説得しているうちに、

そのビジネスモデルの問題点や欠点がわからなくなり、

欠点を指摘するような学説やデータは

無視、あるいは敵視するようになっていくのです。

 

しかも恐ろしいのは意識的に無視、敵視するのではなく、

無意識に耳をふさいでしまうことです。

だからビジネスも犯罪捜査同様、

「先入観を持ってビジネスに当たるな。

このビジネスはいけるぞと思ったら、問題点、リスクは何か、

よく考え、それでもいけるかどうかだ」

といえましょう。

 

仏教で教えられる煩悩の一つに『我慢』があります。

自分の考えを正しいと押し通してしまう自惚れ心です。

我慢』は、どんなに冷静で知識豊富な人でも、

絶対になくならない心だと教えられています。

生涯、気をつけていかねばならないことといえましょう。

 

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