親鸞に学ぶ幸福論

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生きる意味が感じられないままでいいのかと問う森鴎外

 

 

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【出世本懐(1)】

 

以下の文章は明治の文豪、森鴎外の言葉です。

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一体日本人は生きるということを知っているだろうか。

小学校の門を潜〔くぐ〕ってからというものは、

一しょう懸命にこの学校時代を駈け抜けようとする。

その先きには生活があると思うのである。

学校というものを離れて職業にあり附くと、

その職業を為〔な〕し遂げてしまおうとする。

その先きには生活があると思うのである。

そしてその先には生活はないのである。

現在は過去と未来との間に劃〔かく〕した一線である。

この線の上に生活がなくては、生活はどこにもないのである。

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学生時代は「これがオレの本当の人生だ」とは思えません。

やりたくないレポートを出して、一応の単位をそろえて、

まずは卒業しなきゃと目先のことで精一杯です。

今は知識と経験を積む時代と心得、

あるいは遊ぶためのモラトリアム期間だと受け止め、

社会に出てからが本当の人生だと思う人が多いです。

 


ところが社会に出るとどうでしょう。

まずは仕事を覚えるのが精一杯になります。

ミスをしないよう、ノルマを達成できるよう、目先に追われます。

これが本当の人生だと思う人はいません。

仕事を覚え、何かのプロジェクトを任され、

一人前に取り組めるようになれば、そこからが本当の人生だと思います。

 


ところが、それから本当の人生が始まるのかというと、そうでもないのです。

ある程度の地位や役職につくということは、責任を負うということです。

「楽は下にあり」

周りからも厳しく見られる立場であり、組織の派閥にも組み込まれ、

ますます自分の好きなように行動できません。

 


そこである程度の地位や役職についた人は、

社会的責任を果たし終えてから、

好きなことができる本当の人生を歩もう、と思うのです。

 


では、老後が本当の人生なのでしょうか。

65歳になった初老の人が、

大学に入学したての新入生のところにやってきて、

「入学おめでとう。おれにもそんな時期があったんだ。

でもこれだけは知っておいてくれ、

いいか本当の人生はな、老後からなんだよ」

と言われたら、どうです?

なんか、聞いている方が悲しくなってくる。

「じゃあ、65歳になるまであんた何やってたんですか」

と新入生に言われるでしょう。

 


鴎外の締めの言葉は強烈です。

【本当の人生というのはどこにもないのである】

 

 

結論を急ぎましょう。

本当の人生は「今」です。

「今」をしっかりと生きているか。

自問自答していきたいものです。

 

 

 

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