親鸞に学ぶ幸福論

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いろは歌の真骨頂

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【諸行無常(5)】
 

いろは歌について話を続けています。

いろは歌は美文であり、精巧であり、

なおかつ誰が詠んだかもわからぬところから、

「いろは歌の謎」「いろは歌の秘密」などと取り沙汰され、

菅原道真や柿本人麻呂の怨恨説やユダヤ人先祖説など

さまざまな解釈がなされますが、

素直に読めば、仏教の教えを表したものと言えます。

 

空海の作と言われたりもしますが、

「ここを空海が杖で突くと湖ができた」などと、

なんでも空海のことにしてしまう空海伝説は日本中にあって、

その類かと思いますし、

内容的に言ってもどうかなと私は思います。

 

また涅槃経の

「諸行無常 是生滅法 生滅滅已 寂滅為楽」

をわかりやすく表したものとも言いますが、

私としては「有為の奥山今日越えて」の一節、

特に「今日」という一言に「いろは歌」の深い魅力を感じるのです。

 

先回「有為の奥山今日越えて」とは、

「不安の絶えない人生にあって、今、本当の幸せになれた」

ということだとお話ししました。

まさにこの現在の救い、今満足する心の教えを説かれたのが、親鸞聖人でした。

 

親鸞聖人の教えを表した言葉に

「平生業成」「不体失往生」「現生不退」があります。

「平生業成」とは、

この世には絶対に崩れる事のない絶対の幸福がある、

しかもそれは現在只今達成できる、

だから早く達成しなさい、ということです。

 

「不体失往生」とは体を失わずして、

つまり生きている只今、

往生できる、仏の救いに遇うんだ、と言われています。

往生と聞くと死んでからのこととばかり思っている人が多いですが、

親鸞聖人は「生きているときに往生できる」と言われた方でした。

 

「現生不退」とは、現在生きている只今、

「不退」とは「不退転」の略で、退転しない幸福、

崩れない、壊れない幸福、ですから、「絶対の幸福」です。

現在生きている時に絶対の幸福に成れる事を

「現生不退」とも言われるのです。

 

このように生きている現在、本当の幸せになれるのが仏教だと

親鸞聖人は徹底して教えられた方であり、

その親鸞聖人の教えからいろは歌を読めば、

「有為の奥山今日越えて」と一節に深い感銘を覚えるのです。

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