親鸞に学ぶ幸福論

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親鸞聖人の比叡山での生々しい苦闘

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【下山(3)】

 


親鸞聖人の下山の謎について回数を重ねています。

今日はその3回目です。

 

親鸞聖人は9歳で仏門に入られ、比叡山でご修行に励まれました。

その比叡山での20年間は、逆巻く煩悩との格闘でした。

『歎徳文』という古書は、

その生々しい苦闘の様子を今に伝えています。

「定水(じょうすい)を凝(こら)すと雖も

 識浪(しきろう)頻(しきり)に動き、

 心月(しんげつ)を観(かん)ずと雖も

 妄雲(もううん)猶(なお)覆う」

 

比叡山から東を眺めれば眼下には琵琶湖が広がっています。

親鸞聖人もご修行中、

幾たびもこの琵琶の湖水を眺められたことでしょう。

「定水を凝すと雖も」

琵琶湖の水面は風がないときには波一つなく、

鏡のように映えている。

「あの湖水のように親鸞の心はなぜ静まらないのか」

と悩まれた様子が伝わってまいります。

 

「識浪頻に動き」

【識】とは、煩悩です。

「思ってはならぬことが思えてくる。

 考えてはならぬことが浮かんでくる。

 恐ろしい心が噴き上がる。

 どうしてこんなに欲や怒りが逆巻くのか。

 この心、なんとかせねば」

 

平静な湖水に比べて渦巻く煩悩に泣く聖人が、

涙に曇る眼を天上に移されると、満月がこうこうと冴えている。

 

【心月を観ずと雖も妄雲猶覆う】

「あの月を見るように、なぜさとりの月が見れぬのか。

 みだらな雲がわき上がり、心の天を覆い隠す。

 いったいどうすれば」

 

「この山に私の助かる道があるのだろうか・・」

「どこかに私を導きたもう高僧ましまさぬか・・」

 

こうして親鸞聖人は、天台・法華の教えに絶望なされ、

ついに、下山を決意されたのです。

9歳で出家されてから、20年目のことでした。

 

3回にわたって親鸞聖人が比叡山の仏道修行を断念し、

下山された理由についてお話いたしました。

この後、しばらくして親鸞聖人は、

京都の吉水にて終生の師である法然上人と巡り会われるのですが、

この比叡山での聖人の葛藤を知ると、

その邂逅をどんなにこそ喜ばれたことか、思い知らされます。

 

 

 

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