【五逆罪(1)】
シベリアで生態系の頂点に立つ王者はシベリアオオカミです。
そのシベリアオオカミが恐れる天敵はというと、
同じシベリアオオカミだそうです。
毎年、同類に縄張り争いで殺されるシベリアオオカミの数は相当数に上ります。
ではシベリアのみならず地球上で見ると、最も強い動物は何でしょう。
それは文句なしに、ホモサピエンス(人間)です。
過去数十万年の歴史上、ずっと生態系のトップに君臨し続けています。
では、万物の霊長を自負する人間にとって、最も恐ろしい動物は何でしょう。
それもまた「人間」です。
日本で発見される縄文人の骨には少なからず、
弓矢や槍で殺されたと思われる骨の損傷があり、
おそらく部族間の争いが頻繁に繰り返されていたのだろうと推測されています。
法治国家の現代も、人間を殺害する動物は、
マラリアの蚊を除けば、人間が断トツ一位です。
虎よりも熊よりもワニよりもヘビよりも、
何しろ殺されるとしたら、人間に殺される可能性が高いのです。
では人間の中でも、どんな人に気をつけなければならないのか、
無軌道な若者たちか、暴力団か、不法外国人か。
2017年警察庁が公表したデータによると、
なんと2016年に摘発した殺人事件(未遂含む)のうち55%、
つまり半数以上が、「親族間殺人」だというのです。
さらに親族間の殺人の中でも、
子どもが実父母を殺害するケースが断トツで、
殺人858件中、実父母が被害者だったのは139件。
面識ない人に殺されたのが88件だから、
知らない人に殺されるより、
我が子に殺されるリスクの方がずっと高いのです。
まさか我が子が生まれてきた時に、
この子がいつか自分を殺すことになろうとは
誰が想像しましょう。
子供とて、親を支えに、たよりに、親の背中を見て成長しており、
その親をやがて自分が殺す日が来ようとは、
思いもよらないことでしょう。
しかし、事実、そういう最も悲惨な裏切り行為が
世界中で毎日起きているのです。
仏教では、親を殺すことは『五逆罪』といい、
無間地獄に堕ちる罪『無間業』だと説かれています。
まさかそんな恐ろしい罪を犯すことあるもんか、と思っていますが、
データからいえば、笑い飛ばすことができない実態だとわかられると思います。
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