【無常(1)】
「人去りて知る身の不徳」という言葉があります。
大切な人が自分の元を去ってしまった時、
初めてその人を傷つけてきた、あきれさせてきた今までの言動を悔やみ、
自己の至らなさ、浅ましさに気づく、という意味のことわざです。
去っていった人のこわばった顔、悲しそうな目が
一日のうちの何度も何度も思い返されてくる。
「あのとき、なんであんなことをしてしまったんだろう」
「あそこで、あんなことを言わなければよかったのに」
とずっと忘れられない痛みとして、心から離れません。
「時をかける少女」「君の名は」など、
時を遡ってやり直すストーリーが多いのも、わかる気がします。
誰だって「あのときに戻ってやり直したい」と思うことのいくつかはあります。
しかし現実は過去に遡れるわけもなく、
一度崩れた信用はもう戻らず、
もう二度とその人が自分の元に帰ってくることはありません。
今さら後悔しても仕方ない、と言ってしまえばその通りですが、
やり直しがきかない、仕方ないことだからこそ、
人は悔やみ続けるのです。
「あのときに戻ってやり直したい」とは、
古今東西の人類の果たし得ぬ願望でしょう。
私たちはいかなる時も、
Uターンの許されない一方通行の道を進んでいるということです。
こうしてあなたがこのメルマガを読んでおられる今の一瞬一瞬も、
二度と戻らない過去となって、過ぎ去ろうとしています。
この事実を直視し、
「今、なすべきことは何か」
と迫る教えが仏教なのです。
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