【慈悲(1)】
恋愛に関する面白い研究があります。
研究のタイトルは「物事がうまくいったとき、あなたはそばにいてくれますか」というものです。
仕事が評価されたとか、テストでいい点を取ったとか、何か良いことがあり、
それを恋人に伝えた時の反応をデータに取った研究です。
結果は顕著でした。
相手のうれしい出来事に関心を示さなかったカップルは、
ことごとく別れていたのです。
【物事がうまく行った時に共に喜んでくれないのは破局の予兆】と、
データは雄弁に物語っていました。
失意の時に支えてくれるパートナーは、大切でかけがえのない存在ですが、
もしかしたら私たちはそれ以上に、
良いことがあった時、一緒に喜び、祝ってもらえるパートナーを
欲しているのかも知れません。
お釈迦さまは「慈悲の心で接する人は幸せになれる」と説かれています。
『慈悲』とは『慈』の心、『悲』の心、ということです。
『慈』とは、「抜苦(ばっく)の心」、『悲』とは、「与楽(よらく)の心」です。
苦しんでいる人を見てじっとしておれず、
なんとかその苦しみを抜いてあげたいと思うのが『慈』の心です。
相手が喜んでいるのを見ると自分もうれしくなり、
いつまでもその笑顔を守りたい、
ずっと相手が幸多い人生であってほしいと願う心が『悲』の心です。
特にこの研究結果は『悲』の心の大切さを改めて知らされるものですね。
私はかつて師事する仏教の先生から
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“何か自分に出来ることはないか。”
“他人のために出来ることはないか。”
“自分が楽をしようというのではなく、人のために尽くそう、とできないか。”
“常に人の喜べることは出来ないか。”
これを十年続ける人には、周りに人垣ができる。
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と教えていただいたことがあります。
つい私たちは「どうすれば認められるか」「どうすれば儲かるか」と
自分の喜びばかりを追いかけてしまいがちですが、
その発想を「回れ右」して、周りに喜びを与えることだけを考えていくと、
それが結果的に我が身自身が最も堅実に、かつ速やかに
幸せを手に入れる道であったと、身体を通して知らされるのです。
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