2017-01-01から1年間の記事一覧
【鬼神(1)】 東京の富岡八幡宮で宮司の女性が、実の弟に 日本刀で斬殺される事件が起きました。 犯人である弟は姉を殺した後、自分の妻も殺し、 自らも八幡宮の境内で自殺しました。 年の瀬を前におこったセンセーショナルな事件は、世を騒然とさせました…
【業(ごう)(1)】 精神科医は「結婚すると豹変する人の心理的特徴」を述べ、 心理学の教授は「男女の嫉妬の違い」を解説し、 脳科学者は「イライラの発生」を分析してみせます。 それらの人の主張は、それはそれで正論に聞こえますし、 彼らの学説によっ…
【慈悲(1)】 今年の流行語大賞には選ばれませんでしたが、 政界、日本全体へ与えた影響という点でいえば、多大であり、 言葉の持つ影響力の強さを思い知ったのが、 小池都知事の発した「排除」という言葉でした。 実に冷たい、傲慢な響きのある言葉に、世…
【因縁(3)】 何年か前、ある女性芸能人が覚せい剤常習の男と結婚し、 自分も覚せい剤に手を染めるようになり、 ある日、夫婦そろって覚せい剤使用が発覚し、逮捕されるという事件がありました。 夫が覚せい剤常習者だった場合、奧さんがいくら手を出さな…
て 【因縁(3)】 29歳の女性の方から、こんなお尋ねがあったことを先回お話ししました。 ======最近、プロポーズされました。仕事も辞めたかったのと、年齢のこともあり、ホッとうれしい思いもあった反面、本当にこの人でいいのか、後悔しないかと躊…
【因縁(2)】 29歳の女性の方から、こんなお尋ねがありました。(匿名のため、一部、変更しています。) ======最近、プロポーズされました。仕事も辞めたかったのと、年齢のこともあり、ホッとうれしい思いもあった反面、本当にこの人でいいのか、…
【因縁(1)】 「子供は親を選べない」とはよく言われますが、 「親も子供を選べない」とも言えます。 夫婦はお互いが選んで一緒になった仲ですが、 親子の仲は、深い過去世からの因縁によって生じます。 しかもこの運命的な出会いで始まった親子関係からは…
【諸行無常(1)】 仏教に『諸行無常』という言葉があります。 『諸行』とは、すべてのもの。『無常』とは、続かないこと。 この世の一切は続かない、移ろい変わっていく、ということです。 いま私は自分の家でパソコン使ってこの文章を書いていますが、 こ…
【和するをもって貴しとす(1)】 アメリカ最高齢の離婚は、 アイダさん91歳、サイモンさん97歳での離婚です。 報道によれば、アイダさんは「もうこれ以上耐えられない」とコメントしたそうです。 「夫婦の仲に完成なし、死ぬまでお互い大事に築き上げ…
【さらに私なし(2)】 先回、「もっと自分の思いや体験談を交えて書いたらいいのに」というご意見への 自分の思いを書きましたかところ、何人かの方からメッセージをいただきました。 それを読ませていただき、少し言い足りないことがありましたので、 今…
【さらに私なし(1)】 先日、私のメルマガを読まれた方からアドバイスをいただきました。 ーーーーーーーーー最後に、こうしたら良いのではないかということを書かせていただきたいと思います。菊谷さんは、このメルマガを、仏教の教えを伝えるという目的…
【自業自得(3)】 過去2回にわたって、「人生は選択の連続である」と話してきました。 自分の人生は人に決められていると思っている間は 苦しいことがあれば、人のせいにします。 ところが、すべては自分が選択した結果だと覚悟を決めると、 人のせいには…
【自業自得(2)】 やりがいのない、つまらない仕事に不平を持ち、 会社をうらみ、上司を憎む人があります。 しかし今そういう立場でそういう仕事をしているのも、自分の選択の結果です。 その仕事、職場を選んだのは自分ですから、己のまいた種の結果です…
【自業自得(1)】 人生は選択の連続です。 目覚まし時計で目を覚ませば、一日のスタートから選択が迫られます。 布団から出るか、それともそのまま布団で寝続けるか、という二者択一です。 その後も、朝ご飯は食べるかどうか、食べるとしたらパンかご飯か…
【常行大悲(2)】 江戸時代の武家は40歳を過ぎると、家督を息子に譲り、 息子が出仕して、自分は隠居し、「翁(おきな)」といわれました。 40歳を過ぎた西郷隆盛のことを西郷翁と呼びましたし、 桃太郎などの昔話に出てくるお爺さんお婆さんも、 40…
【常行大悲(1)】 東京で仏教講座をしていたとき、70歳を過ぎた年配の方が、 「カネがどんどん減っていき、不安で仕方がない」 「予期せぬ出費で悠々自適の老後にはほど遠い」 と不安を訴えてこられたことがありました。 医療費、介護費など出費がかさみ…
【仏願(3)】 『仏願(ぶつがん)』とは「仏の願い」です。 仏の願いは、私たち人間の願いとは違います。 どう違うのでしょうか。 人間の願いは 「カネがあれば、あの車買えるのに」 「かわいかったら、あの人も振り向いてくれるのに」( 「才能があったら…
【仏願(2)】 「人間は自分の願いがかなっても、幸福になれない存在だ」 と、驚くべきことを釈迦が説き明かされていることを、 過去3回にわたって述べてきました。 「願い」とは「将来の夢」であり「目指す目標」です。 夢や目標を持つことが大事だとみな…
【仏願(1)】 『仏願(ぶつがん)』とは「仏の願い」のことです。 仏の願いを私たちの上に満たすことを目的に 釈迦が説かれた教えが仏教です。 仏教は、私たち衆生の願いを満たすための教えではありません。 それは衆生の願いをかなえても、衆生は幸せにな…
【流転輪廻(1)】 先回『ドラえもん』が訴えかけているのは、 「人間の願いはたとえかなっても、幸せにはなれない」 という、哲学的なテーマだと話しをしました。 「あんなこといいな、できたらいいな♪」の、 のび太の、まことにわがままな願いを、 ドラえ…
【意業(1)】 「あんなこといいな、できたらいいな♪」の歌で始まる『ドラえもん』。 のび太の願いをドラえもんが次々と 未来の道具でかなえてくれるストーリーですが、 その結末は「たとえ願いが満たされても幸せにはなれない」 という、とても哲学的な示…
【出世本懐(1)】 「ビジネスマンは『社史』を学べ」といわれます。 なぜ自分の会社について学ぶことが大事なのでしょうか。 今度の会議をいかに乗り切るか、とか、 同期で誰が最初に課長になるか、とか、 とかく目先のことにムキになってしまうのが私たち…
【財欲(1)】 ある男が、少しでもガソリン代を節約したいと思い、 「あそこのガソリンスタンドは安いぞ」と聞きつけた。 それからというもの、遠くにある、ちょっと安いガソリンスタンドを 利用するようになり、その移動距離のため、 余計ガソリン代が多く…
【縁(1)】 仏教に「縁」という言葉があります。 今日の言葉でいえば「絆(きずな)」といってもいいでしょう。 私にも、あなたにも、人にはそれぞれ、 縁の深い人と縁の浅い人がいます。 同じ職場で働いている人の中にも、 縁の深い人と縁の浅い人があり…
【宗教(1)】 世界の三大幸福論で有名な哲学者、B・ラッセルは 敬虔なキリスト教徒の家に生まれ、育ちましたが やがて信仰を捨てるに至ります。 彼のキリスト教批判は辛らつですが、 中でもキリスト教の神の存在について いくつも理性的に論じています。 …
【瞋恚(2)】 私が30代の頃、ある会社に苦情の電話を入れたときのことです。 のらりくらりと言い訳ばかりの不誠実な対応に いささかカチンときてしまい、 つい電話口の語気が荒くなってしまいました。 電話を切って、自分の机に戻る時、 周りの固い雰囲…
【人身受け難し(2)】 「自棄(やけ)を起こす」という言葉があります。 本来「やけ」とは「あとは野となれ山となれ」で焼き尽くすという意味で 「焼け」だったようですが、 「自暴自棄」の「自棄」を「やけ」と読むようになりました。 やけ酒、やけ食いな…
【人身受け難し(1)】 座間の9遺体事件が日本中を震撼させています。 白石容疑者は、自殺願望の若い女性に 「一緒に死のう」と心中を持ちかけ、自宅に連れ込み、 殺害したことがわかってきました。 動機については「金銭や乱暴目的であった」と話している…
【瞋恚(1)】 まだ私が大学生だったときのことです。 学生街の、とある食堂で食事していると、 厨房から、店の主人が誰か従業員に 激しく怒りをぶつけている声が聞えてきまして、 いたたまれない気持ちになったことがあります。 それ以来、その店には行か…
【出世本懐(1)】 ロサンゼルスで布教していたとき、 UCLA(ロサンゼルスの大学)に通う日本人の女子学生で、 仏法の話を聞きたいという方があり、 毎週一時間、個人的に話しをしていました。 今は帰国して外資系の会社で活躍しています。 その彼女は…