2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧
【禍福はあざなえる縄のごとし】 良かれと思ってやったことが災いを招いたり、 災い転じて福となしたり 運命ほど、わからないものはありません。 なんで私だけがこんな目に合わねばならないのか、 身の不遇をうらみたくなる時は どんな人にでもくるものです…
『男子四十にして起つ』 『不惑の四十』 といわれるものの、 40代の私は未だ惑うことも多いです。。 「40歳になれば、自分の顔に責任を持たねばならない」 と言ったのは、かのリンカーン大統領です。 40歳まで生きれば、その人の生き様も顔ににじみ出て…
医者は患者にがんの宣告をし、 余命何か月と家族に伝え、 死におびえる患者の話を聞き、 患者の死を看取ります。 一般の人よりも死を見つめる機会が多いので、 かっこたる死生観を持っているだろうと思いきや、 どうもそうではなく、むしろ当たり前になって…
上場される見込みのない未公開株を 言葉巧みに買わされた詐欺事件の被害者の話を 知り合いから聞きました。 被害者はせっかくの退職金を騙し取られたのですから、 その苦しみはこちらの想像できるものではありませんが、 それにしても「どうしてそこで騙され…
因果の道理は仏教の根幹です。 「根幹」とは根であり、幹である、ということ。 仏教を一本の木とすれば、 その根っこや幹にあたるのが因果の道理です。 根幹に対して、枝葉という言葉もあります。 あまり大切でないことをいう時に使われます。 「そんな枝葉…
『外道(げどう)』とは仏教の言葉です。 道理に外れた教え、ということです。 仏教では三世十方を貫く真理のことを『道理』といいます。 『三世』とは過去世、現在世、未来世のことで 「いつでも」ということです。 『十方』とは東西南北上下四惟のことで …
平成7年、日本中を震撼させたオウム事件は 何だったのでしょうか。 一言でいえば、 必死に求めても「生きる意味」を知りえぬいらだちが生み出した悲劇の一つ、 と言えるかと思います。 オウム裁判に登場した数ある元信者の一人が 中学3年生で、こんな詩を…
平成7年、オウムサリン事件が起きたあの時は テレビ報道もあのニュース一色になったのを覚えています。 あの犯罪者の顔ぶれを見ると、 京都大学とか早稲田大学とか 高学歴の面々が連なっていました。 当時よく "高学歴の、頭の良い彼らがあんなカルト宗教に…
人間、苦しいことが重なると、 「なんで自分だけがこんな目に合わなければならないのか」 真剣に思い詰めるようになります。 一つ二つの苦しみなら、 試練の時だ、何とか乗り越えなければ、と 冷静に対処できても、 ときに人生にはいくつもの苦しみがいっぺ…
今日、『外道(げどう)』と聞くと、 人の道を外れた冷酷な人、残虐な人、 というイメージを持たれる方があると思うのですが、 そういう意味ではありません。 もともと仏教の言葉です。 『内道』に対して『外道』と言われます。 『内道』とは、「道理の内側…
世の中は予想以上に めまぐるしく動いていて、 ビジネス書も5年前のものは 役に立たないものたくさんあります。 朝令暮改はだめ上司に言われる言葉でしたが、 今や朝令暮改の臨戦即応体制が 会社の組織には求められているそうで そんな激動の時代に 「過去、…
「その人がそれを信じて喜んでいるんだから、 他の人が首突っ込むものではない。」 こういう意見は人生経験豊富な常識人ほど、 主張することではないでしょうか。 信じているものをアレコレ言われるのは、 ちょうど好きになった女性の悪口を言われるようなも…
三従の女人という言葉があります。 ▼娘時代は、父親に従い、 ▼嫁入りしたら、夫に従い、 ▼老いたら息子に従う。 常に男性に依存していなければ生きられなかった、 男性優位の封建社会の、女性のすがたを いわれたものです。 今日の日本は、女社長、女性議員…
「信心」とはどんなことか、 親鸞聖人の教え、仏教を理解するのに、 極めて大事なことなので、 このたびのテーマで取り上げることにしました。 「信心」という言葉には、 ある一つのイメージがつきまといます。 "信心深い人"と聞いて想像するのは、 高齢の人…
“信心”と聞くと、宗教をイメージする方が多いことと思います。 「あんた、何を信心しとる?」と尋ねられれば、 「わしは金毘羅様じゃ。」とか 「オラの村は八幡様を信心しとる」とかいうように お年寄りが縁側で話す時に出てくる単語が『信心』という言葉で…
「煩悩具足の凡夫」 という言葉があります。 煩悩とは、 私達を煩わせ、悩ませるもの と書くように、 全部で108あります。 中でも代表的なものが、 貪欲、欲の心のことです。 瞋恚、怒りのことです。 愚痴、うらみやねたみの心のことです。 それ以外にも…
先日話した慶応大学の学生は、 ブラジル生まれ、 ブラジル育ちの日系人で、 中学の時に 日本に引っ越してきたそうですが、 最初は日本の学校に行くのが 怖かったそうです。 なぜかというと、 日本人はみんな小さい時から 空手をやっていて、 ブラックべルト…
オバマ大統領のことを通して 「アメリカは人種差別撤廃に向って動いた」と昨日論じたところ、 「甘くない」「実情はこうだ」 と辛口のご意見を幾つかいただきました。 私としても、青臭い理想論を掲げて書いたのでもありません。 以下に示すのは、1985年に出…
阿難(あなん)という お釈迦様のお弟子が、 ある夏の暑い日、 祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)に帰る途中、 余りにノドが渇いたので、 樹の陰で一人の若い女が 手桶に水を汲んでいるのを見て、 一杯の水を求めました。 阿難は美男で有名でした。 釈尊在世中、…
明橋大士さんという 精神科のお医者さんがおられます。 仏教の講演会でお会いし、 後輩を診ていただいたこともあり、 懇意にさせていただいているのですが、 その明橋医師の書かれた 「子育てハッピーアドバイス」シリーズは 読んでいて 過去の失敗が思い出…
親鸞聖人は当時の日本で優秀な人材の集う比叡山にあって 【叡山の麒麟児(きりんじ)】 と呼ばれた方で 「学問でも修行でも親鸞の右に出るものはないだろう」 と評されました。 その親鸞聖人が 「こころは蛇蠍(じゃかつ)のごとくなり」 と告白されているの…
『心は蛇蠍のごとくなり』という 親鸞聖人のお言葉をテーマに話ししていますが、 蛇蠍って、どのように読むんですか? と何人かの方からお尋ねがありました。 蛇蠍とは、「じゃかつ」と読み、 蛇とはヘビ、蠍とはサソリのことです。 自分の心の中にヘビやサ…
『サトラレ』という映画があります 半径10メートル以内の人に、 自分の心がさとられてしまう という特殊な人たちのことです。 自分の心が回りの人たちに 全部筒抜けで知られてしまう。 映画の中でも、主人公が 片思いの女性とすれ違う時に、 「お、今日の…
成功者の書いた早起き勉強法の本を読み、 「そうだったのか 早起きはかくも大事なものだったとは よし、今後は絶対に寝坊しないぞ 早起きで自分の生活を変えよう」 と決意する、とします。 ところが 『わかっちゃいるけどやめられぬ』 とはこのことか。 朝に…
無始久遠、悠久の過去から 輪廻を繰り返し、 永遠の未来へと連なっていく生命において、 人間が生を受けて、 滅するまでのこの肉体は、 滔々と流れるガンジス川に浮かぶ 一抹の泡のようなものだ と釈尊は説かれました。 日本語にも 「水泡に帰す」 「泡沫の…
ロサンゼルスにいた時、よく車で走り抜けた、 ガーデナー市のノルマンディー通りは ジャガランダ並木で有名です。 ジャガランダって日本ではちょっと見たことないのですが、 桜に似た木で、桜に似た花を木々いっぱいにつけます。 桜と何が違うかといいますと…
死を前にして沈鬱になったレオナルド・ダ・ヴィンチに 「先生には数々の素晴らしい業績や芸術作品があるでは ないですか。」と弟子が励ましました。 その時、彼は「今死んでいく自分にとって、そんなものが何になる。」と首を横に振りました。 「それでも、…
この有限の人生で あなたは何のために 何を手に入れようとしているのでしょうか。 A・ミラーの『セールスマンの死』は、 もう60年前に書かれたものですが、 考えさせられる作品です。 ウイリーはセールスマンで、 日々忙しく働いていますが 住宅ローンや、…
カピラ城に太子として生まれられたお釈迦様が 出家される動機になったエピソードに 『四門出遊』という話があります。 ーーーーーーーー 太子が東の門を出ると、 活気づいた町並みが広がっている。 町を見渡していたとき、 太子の目にとまったのが老人であっ…