明橋大士さんという
精神科のお医者さんがおられます。
仏教の講演会でお会いし、
後輩を診ていただいたこともあり、
懇意にさせていただいているのですが、
その明橋医師の書かれた
「子育てハッピーアドバイス」シリーズは
読んでいて
過去の失敗が思い出されてきて、
涙が出てきました。
自分は子供はいませんが、
対人関係のテキストとしても
群を抜いて良いので、
時折読み返して勉強しています
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あの階級対立の厳しい時代にあって、
「御同朋御同行よ」と
全人類に呼びかけられたのが
親鸞聖人でした。
「御同朋御同行(おんどうほう、おんどうぎょう)」とは
【兄弟友人】ということです。
歎異抄には
「一切の有情(うじょう)は皆もって
世々生々(せせしょうじょう)の父母兄弟なり。」
とも仰っています。
私が「子育てハッピーアドバイス」が大好きなのは、
親鸞聖人が大衆に向って
「御同行、御同朋」
「一切の有情は父母兄弟なり」
と呼びかけられたのに通じる、
慈愛あふれる暖かい視点を
この本に感じるからです
その本からの抜粋です。
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まず、キレている時の止め方は、
一番よいのは、ボクシングで言う、
クリンチです。
要するに、子どもの懐にバッと入って、
ギュッと抱きしめる。
そして、子どもの背中や頭をさすって、
「つらかったね。つらかったね」と言う。
子供は、「離せー!」とか、
「ぶっ殺してやる!」とか言って、
先生を叩こうとしますが、
極めて近い距離なので、
叩いてもあまり力が入りません。
ギュッと強い力で抱きしめたままでいると、
しばらくして身体の力が抜けてきて、
そのうち、しくしく泣き出します。
そうしたら、教室の外へ出して
(クリンチしたら、そのまま連れ出してもいいですが)
話を聞きます。
キレた子に対してよくないのは、
中途半端に、手をつかまえたりすることで、
そうすると、足が出たり、頭突きが出たりして、
結局つかまえ切れません。
また、「出ていけ!」などと強く叱るのも、
解決になりません。
虐待を受けた子どもが暴れるのは、
根本は、悲しみです。
人間扱いされなかった、
サンドバッグ扱い、
ペット扱いしかされなかった
自分の存在価値のなさ、
親を怒らせることしかできない、
存在そのものが邪魔な
自分への悲しみなのです。
クリンチ、というのは、
一方で、暴れるのを防いでいながら、
もう一方で、しっかりと抱きしめている姿勢です。
そして、叩かれるのではなく、
さすってもらい、大切にされることで、
この根本の悲しみを癒すはたらきがあるのです。
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このような暖かい目線で
子供に接しられる大人が
学校に、あるいは家庭や近所に
いれば、その子は幸せですね
今日から何回か、
「御同行 御同朋」ということについて
ふれてみたいと思います。