『慢過慢』とは、
自分より優れている人に対してでもうぬぼれる心です。
自分80点、友達100点、となれば、
うぬぼれようがないはずですが、
それでも自惚れる。
では、どう自惚れるのでしょうか。
「あいつは確かに勉強はできるかもしれんが、
がり勉じゃないか。
そもそも勉強しかできん。
まずスポーツができない。
友達が少ない。
人間的な魅力に乏しいということかな。
その点おれはスポーツもできるし、
友達も多いし。
将来出世するのはオレの方だな。」
とうぬぼれています。
テストの成績では勝てないので、
土俵を違うところに移すのです。
職場でかわいくて男性社員から人気がある女子社員がいれば、
他の女子社員が
「あの娘、確かにかわいいけど・・・鼻にかけてるよね。」
といったりします。
「かわいいね、人気あるよね。」
の会話だけでは終わればいいのに、
それだけでは終われない。
どちらがかわいいか、
どちらが人気あるか、
という土俵では分が悪いので、
違うところに土俵を移して、
勝ち負けを決しようとするのです。
あなたの身近にも、
あの人のこれに関してはかなわんな、
という秀でたものを持っている人がおられると思います。
その人に対して、
この面ではあいつはすごいけど、
ああいうところができていないよな、
と何かどこかにそういう思いを抱いてたりはしないでしょうか。
仏教ではそれを『慢過慢』といいます。