【卑下慢(3)】
七つの慢心の中の一つに
「卑下慢」を釈迦は説かれています。
「卑下慢」とは、
卑下しながら自惚れることです。
私ほど頭の低いものはおらんだろう、と
ニンマリする心です。
自分のお粗末さを強調することによって
自分を良く見せようとする。
自己反省が深いことを
アピールするのです。
自己反省の深さを誇示している心です。
“私は自分は愚かなものだと知っている、
こんな風に己を見つめている人はいないでしょう。”
という心が私たちには常にあります。
“自分は人より深く反省している人間なんだ。”
こういう心が絶えず動いています。
「私は馬鹿な奴なんです」
と自嘲して見せたときに、相手が
「うん、本当にあんたは馬鹿だと言ってる人いるよ」
と返すと、血相変えて
「誰ですか!私のことをそんな事言うのは!」
といきり立つ。
「あの人が!?よく言うよ、あの人こそ○○で~」
とまくしたてる。
本当にお粗末な人間だと思っていないことが
すぐ暴露されます。
人間が人間である以上は
心から謝るのはあり得ない。
どんなにたくさんの涙流していても、
体中から汗が出るほど「申し訳なかった。」と懺悔しても
やはり同時にこの卑下慢が出てきて、
自惚れ始める。
どこどこまでも卑下慢は
人間には離れきれない、と釈迦は説かれています。
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