【どうして人は別れねばならないのでしょうか】
愛する家族を亡くした時や、
最愛な人の失恋などに直面した時に、
多くの人が自問自答することです。
仏教では、『諸行無常』は真理であり、
『会者定離 』も世のならいである、と説きます。
▼会ったならば、必ずいつかは別れなければらない。
▼生きている人間は、やがて死んでゆかなければならない。
これは動かしがたい真理だと、説きます。
こう聞けば、「そりゃそうだろう」と、
誰もが納得することでしょう。
しかしそれが、自分の愛する人だった場合は、
別れるという平凡な事実が、
耐え難く、認めがたい愛別離苦 になります。
「どうして別れなきゃいけないの!?」と、
遺体にすがって泣くこともあります。
「どうしてって、それが真理だから、だよ。
手から物を離したら下に落ちるだろ?
それと同じで、真理なんだよ。
どうしてもこうしてもないんだよ。」
ということなのです。
むしろ、
「あの人200歳になるけどまだ死なない」
そんな人がいたら、それこそ
「どうして死なないの?」
と、身体ゆすって聞きたださなければならないところでしょう。
人は別れる。人は死ぬ。
3歳の子供でも知っている、あたりまえの事実ですが、
それが、自分の愛する人に起きたときに、
「どうしてなの?!」
「なぜこんなことに!」
と口をついて出るのが人間なのです。