【生死の一大事(2)】
以下はフランスの哲学者パスカルの『パンセ』の一節です。
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人間は幸福であろうと願い、
幸福であることしか願わず、
またそう願わずにはいられない。
だがそれにはどうやったらいいのだろう。
それを上手くやるには、自分が死なないようにならねばならない。
しかしそれはできないので、そういうことを考えないようにした。
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フランスの高校では、文系の大学に進む学生は、
週8時間「哲学」の授業受けます。
日本にも「倫理」はありますが、選択科目で少しかじるくらいで、
ほとんどの人は勉強した自覚もないかと思います。
そこへいくとフランスは、哲学を週8時間!ですから、
すごい開きです。
フランスの高校生たちは授業で、先に述べたパスカルの言葉
「人間は幸福であろうと願い、
幸福であることしか願わず、
またそう願わずにはいられない」
といった言葉と向き合い、吟味し、議論しているのです。
さらにフランスでは、
高級官僚や政治家のほとんどを輩出する大学院の卒業条件に、
哲学論文の執筆が含まれています。
ある日本人がフランス人の知り合いに、
なぜ官僚や政治家に哲学の論文を課すのか、理由を訊いたところ、
「政治家の仕事というのは、良い社会を作ることにある。
社会が良いとは、人にとっての幸福とは何か、に関わるから、
当然じゃないか」
と答えたとのことでした。
これを聞いて思ってしまうのは
日本の政治家はどうなんだろう、ということです。
「幸福になるには、自分が死なないようにならねばならない。
しかしそれはできないので、そういうことを考えないようにした」
こういうパスカルの明察を聞いて、日本の政治家は何を思うだろう。
自分の意見はあるだろうか。納得するか、反発するだろうか。
それとも何とも思わないのだろうか。
こういう言葉に何も心が動かない、何も思わないような政治家に
あれこれ指図されたくないなと思います。
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