【正邪(1)】
親からの無理難題やクレームに悩む小学校の教師が増えています。
いわゆる「モンスターペアレント問題」ですね。
「うちの子と仲の良いあの子とあの子を一緒のクラスにしてくれ」
と迫ってくる親御さんもあるそうで、
それはできないと説明すると、怒り出す始末、とのこと。
「子供が好きで小学校の教員になったのに、親への対処で神経をすり減らしてしまう」
と新任教師は、その実態にまず面食らうそうです。
ところが親の立場に立つと、また違った悩みがあるようで、
小学生の子供さんを持つお母さんから、こんな話を聞いたことがあります。
そのお母さんが担当の教師に、
自分の子がいじめを受けていることをなんとかしてもらいたいと相談したところ、
その教師、顔色変えて「いじめなんてない」と逆ギレしたそうです。
調査もせず、頭ごなしに否定されたことでお母さんは不信を持ち、
一年間、こんな先生が担任だなんて、と相当悩んだ挙げ句、
学校の教頭先生に相談したそうです。
お母さんの立場に立てば、当然の処置とも思いますが、
教師の立場からすると、「あの親はモンスターペアレンツだ」とレッテル貼るかもしれません。
実際はどうだったのか、これはよくよく検証してみないと分かりません。
子供同士の軽い冗談を、親が「いじめだ」と過敏に受け止めただけかもしれませんし、
逆に教師が、うちのクラスにいじめはない、と思い込むあまり、
いじめを軽い悪ふざけで片付けてしまっているのかもしれません。
もっと言えば、本当にその教師が逆ギレしたのかもわかりません。
教師が「いじめなんてないと思いますけど」と軽く否定したのを
親が「逆ギレされた」と思い込んだだけかもしれません。
真相は第三者委員会でも立ち上げるしかないのですが、
いずれにしても間違いないのは、
親は教師のために、教師は親のために、お互いが苦しんでいる、ということです。
人間関係で自分が相手のために苦しい思いをしている時は、
相手も自分のことで苦しい思いをしていると考えて、まず間違いありません、
自分だけが苦しんでいると思えて仕方ないのは、
自分のことで頭がいっぱいだからです。
この場合は教師と親ですが、
上司と部下でも、夫と妻でも、親と子でも同じことが言えます。
お互いが相手のせいにして、怒りをぶつけ合い、お互いが苦しんでいるのです。
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