【因果の道理（４）】
千夜一夜物語（アラビアンナイト）は日本でもおなじみです。
私は中学、高校のときに
ＮＨＫのシルクロード取材班に入りたいと
かなり真剣に思っていましたが、
アラブや中央アジア、トルコなどにエキゾチックなあこがれを私に持たせてくれたのも
この物語が最初だったように思います。
この千夜一夜物語は
あるアラビアの国で、
若い女性と一夜を過ごしては殺してしまうという王様があり、
それを止めさせる為、
シャハラザードという聡明な女性が自ら王の元に嫁ぎ、
千夜に渡って毎夜王に話をしては気を紛らわさせ、
ついに殺すのを止めさせたという物語です。
それにしてもシャハラザードは、
王が「最近つまらなくなった」と判断すれば、
自らも殺されてしまうのでしょうから
大変なプレッシャーだったでしょう。
私は各地で仏教の公開講座に立ちますが、
これもつまらない、実りがなかったとなれば、
この忙しいご時勢のこと、
二度と来られないでしょう。
シャハラザードは毎回が真剣勝負の、
背水の陣で話し続けたのが、
あの質の高い作品となったのですが、
私も日々の話しに妥協しないよう勤めたいと思っています。
「蒔かぬ種は生えぬ
蒔いた種は必ず生える」
因果の道理を信じて。
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