【意業(1)】
運動不足解消に家から車で30分ほどのところにある山城を何回か歩いています。
室町時代の山城で、上杉謙信も「元来嶮難之地」とその堅固な要塞ぶりを称えており、越中三大山城に数えられている史跡です。
私も行ってみて初めて、こんな史跡が近くにあったのか、と感嘆した次第で、
一の丸の頂上まで登ってみましたが、
「この七曲りの険しい道を謙信の軍勢が攻め登ったんだな」
「この曲輪で矢を放ったり、石を落としたりしたらたまったもんじゃないよな」
「ここが家臣の家の跡か、城主とどんな関係だったんだろうな」と、
歩いてみるといろいろ想像が膨らんできて、何しろ楽しかったです。
それでもう一回、今度は妻と一緒に歩いてみたのですが、
私は先回同様、いろいろ見まわしては楽しいのですが、
妻はさしたる感銘もないただの散歩といった様子です。
今度からは誘っても「私はいい」と言われる始末。
そこで先日、今度は歴史好きな友人を連れてその山城に行き、
あいにく雨が降ってきて、途中で引き返したものの、
友人は「へー、ここは」と目を輝かせてまして、
彼は「定年退職後はこういった山城を歩いて文献探して歴史小説でも書きたいな」とまで喜んでいました。
私は歴史好きだからこういうことを楽しめるのですが、
カメラマンなら街でも山でも歩いて回るのがとても楽しいでしょうし、
たとえば「画壇の仙人」と言われた画家の熊谷守一氏は、
庭の昆虫、花や石など身近なものをモチーフに、面と線だけで構成された独特な画を多く残しましたが、
「たとえ監獄でも石ころ一つを見ていれば、何ヶ月でも暮らせる」と言っています。
これはあるお笑い芸人から聞いたことです。
雨が降ってきたので、傘を開いたところ、大きく破れており、使い物にならなかった、とのこと。
こんな時、普通の人は「ついてない」と不快になりますが、笑いのネタを常に探しているお笑い芸人にとっては
「これは自虐ネタに使えるかも」
とワクワクしてきて、頭が高速回転を始めるとのこと。
多くに人が嘆く出来事も、笑いに変えるプロ根性に感嘆します。
「笑いにしなければ、オレの不幸が浮かばれない」と言っていました。
刺激の多い、ワクワクした環境にするのに、
どうやら風光明媚な観光地も、アトラクション満載のテーマパークも要らないようです。
心一つに、人生を豊かにする無限の可能性が秘められている、といえましょう。
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