【迷信(1)】
19世紀のヨーロッパでは降霊術が大流行し、
ベルグソンやユングといった著名な学者も熱を上げたそうです。
なんで世界的な学者があんな怪しいオカルト儀式にはまったのか、
と首をかしげる人もあるかもしれませんが、
何もおかしなことではありません。
知識や学問で迷信は払拭できないからです。
19世紀のヨーロッパでは、科学の進歩が著しく、
今まで聖書や教会が語ってきた真理が空想、妄想であったことをが次々と暴露されていきました。
その結果、科学は神に代わって真理の座につきましたが、
科学は人間の苦悩のすべて解決するわけではありません。
「なんで私ばかりがこんな目に遭うのか」
「死んだらどこへ行くのか」
「生まれてきた意味があるのだろうか」
こういった人生の本質的な問いを前に、科学はあまりに無力です。
科学だけでない、医学も、経済学も、心理学も、その他諸の学問は
人生の意義に対しては、何の答えも示してはくれません。
科学が神を葬り去った代償は恐ろしいものでした。
人間に埋めがたい巨大な虚無感をもたらしてしまったのです。
その虚無感がベルグソンやユングを降霊術に迷わせたとしても、
何の不思議なこともありません。
世界的な学者であろうと彼らも、
人生の荒波にもまれ、方角分からず遭難している一個の人間です。
これから先どうなるか、不安の中に生きているのですから。
21世紀の現代も一緒ですし、これからだってそうです。
宇宙ステーションで生活する時代になっても
AI(人工知能)がどう生活の中に入ってこようが、
人間がそこにいる限り、
占い師、預言者、霊能者の類は、
色を変え、形を変え、そこにいることでしょう。
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