三従の女人という言葉があります。
▼娘時代は、父親に従い、
▼嫁入りしたら、夫に従い、
▼老いたら息子に従う。
常に男性に依存していなければ生きられなかった、
男性優位の封建社会の、女性のすがたを
いわれたものです。
今日の日本は、女社長、女性議員と
女性の社会進出が一般的なので、
あてはまらない場合も多いかもしれません。
しかし何かに支えられ、
頼りにし、信じなければ、
生きられない人間の実態という点においては、
同じことがいえると思います。
■子供の時は、他の何よりも頼りにするのは、
お父さんお母さんです。
子供が最初に覚える言葉は、
「ママ」だそうです。
(これは世界共通とのこと)
最初から、「カネ」とか「学歴」という言葉は
覚えません
子供は親から見捨てられることを恐れています。
親から虐待を受けると一生の心の傷になるのは、
それだけ親を信じ、
たよりにしている裏返しでしょう。
■やがて思春期を迎え、
親よりも、クラスの異性の目のほうが
気になるようになります。
恋人の一挙手一投足に動揺し、
過食や拒食を繰り返す人もありますが、
それだけその人にとっての大きな支えだから、
失いたくないのでしょう。
■やがて結婚して、5、6年もすると、
だんだん、夫よりも自分の子供のほうに
心が向くようになります。
「あの人は、ダメだ
あんな人とは思わんかった。
最低」
そして、子供には、
「お父さんみたいにはなっちゃだめよ」
と言う。
この子、この子と、一心に成長を願う。
その子供に、老人ホームに入れられて、
泣いている親の姿は、痛々しい思いがします。
「命と育てた子供にこんな仕打ちを受けるなんて」
の愁嘆の声は世に満ちてます。
■女性だけが嘆き多き存在ともいえないでしょう。
人は何かを信じなければ生きてはいけません。
さらに、信じているものに裏切られた時に
苦しみに沈みます。
▼金をたよりにし、失って嘆く者
▼権勢にすがり、奪われて怒りに狂う者
▼健康を力にし、裏切られ病気で苦しむ者
▼才能を過信し、現実を知らされ悲しむ者
信じているものが大きければ大きいほど、
裏切られた時の悲しみや怒りは大きいのです。
されば『三従の女人』という言葉は、
悩み多き全人類の実態をいわれたものといえましょう。
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