■日本人は桜が大好きです。
日本の国花であり、4月には社内挙げてお花見。
今日でも「桜」がタイトル名にあるとヒット曲になります。
しかもこれは、今に始まったことではありません。
平安の昔から日本人は、桜に託したメッセージを、
様々な詩や歌を残してきました。
そのメッセージとは『諸行無常』という仏教思想なのです。
ひらがなでは『もののあわれ』と表記されます。
■【世の中にたえて桜のなかりせば 春の心は静けからまし】
(この世の中に桜と云うものがなかったなら、
春になっても、咲くのを待ちどおしがったり、
散るのを惜しんだりすることもなく、
のんびりした気持ちでいられるだろうに)
在原業平の歌です。
「在原業平」といえば、平安のプレイボーイとして知られ、
伊勢物語の主人公のモデルにもなりました。
天皇家の血をつぐ高貴な貴族であり、眉目秀麗な美男子で、
しかも六歌仙の一人に数えられる教養人だったので、
多くの女性を虜にしました。
■その業平の歌と知れば、
この「桜」とは「女性」を指しているとわかります。
メールをまめに送ったり、誕生日にプレゼント贈ったり、
悩みは聞いてあげたり、それを器用に複数の女性とこなし。。。
大変です。
いや、そういうの疎んじていたら
プレイボーイはつとまらないでしょうから。
時には三角関係の修羅場もあったでしょう。
相当の気苦労だったに違いありません。
「あ~、いっそのこと、女性がいなければ、
私の心は、どんなにかのどかだっただろうに!」
と叫びたい時もあったでしょう。
■大切な恋人ができると、
一通のメールに夜も眠れなくなったり、
返信が返ってこないと不安になったり、
その人の一挙手一投足に動揺し、
疑心暗鬼にもなります。
「なんでこんな思いをしなければいけないんだろう」
【世の中にたえて桜のなかりせば 春の心は静けからまし】
■1000年前の平安時代も、今日も、
諸行無常に煩悶する人の心は変わりません。
今日でも、桜をモチーフにした数々の歌詞は、
この諸行無常の切なさを歌っているのです。
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