「非僧非俗」について何回かのシリーズで書こうとしてますが、
ちょっと専門的な内容になってくるので、
難しく感じられることを恐縮にも思います。
人は親鸞聖人のことをほめたり、そしったり、いろいろですが、
ご自身のことをどう思っておられたか、
この漢字四字にそのご信念、誇りが込められていて、
胸打たれます。
【今日の仏語】は『非僧非俗』の2回目です。
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親鸞聖人はご自身のことを「非僧非俗」と言われています。
まず「僧に非ず」と仰ったのはどうしてか、
先回からお話ししています。
35歳で越後流刑となられた親鸞聖人は、
僧籍を剥奪され、俗人としての名前、
「藤井善信(ふじいよしざね)」と改名させられました。
よってこの時から「僧に非ず」といえましょう。
しかし親鸞聖人は国家権力より僧籍を剥奪されるずっと前から、
「僧に非ず」とのご自覚でした。
すでに親鸞聖人は31歳の時、
肉食妻帯に踏み切られているからです。
すべての人が差別なく、ありのままで救われる阿弥陀仏の救いを
明らかにするご縁になればと、断行された肉食妻帯でした。
仏教では、「僧侶」たる者は守らなければならない戒律が
定められていまして
「比丘」「男の僧侶」には250戒、
「比丘尼」「女の僧侶」には500戒あります。
それらの戒律を守るのが「僧」なのです。
その戒律の中に
「肉を食べてはならない」
「結婚してはならない」
とありますので、
その戒律を破られた親鸞聖人は
「僧に非ず」のご自覚でした。
臨済宗の師蛮の書いた『本朝高僧伝』には、
日本へ仏教が伝来してからの、
有名無名の僧侶、千六百数十人の伝記が載っていますが、
親鸞聖人のお名前がありません。
『 教行信証』に「非僧非俗」と聖人が宣言されていることを、
師蛮がよく心得ていたからでしょう。
だから親鸞聖人に「破戒僧」「色坊主」と罵倒する者には
「僧でも坊主でもない私に、そんな非難攻撃は的外れだ」
と一蹴されるお気持ちであったことでしょう。
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