【摂取不捨(1)】
昨年末の大掃除では思い切っていろいろ捨てて、
部屋の中がすっきりしました。
整理整頓の「こんまり」さんの、
「ときめかなかったら捨てる」を見習い、どんどん捨てました。
その時思ったことですが、
私たちは日頃いろいろなものを捨てながら生活しています。
着たいと思わなくなった衣類、壊れた電化製品など。
要らないものは捨てます。
交際相手と別れたり、社員を解雇したりと
人を捨てることもあります。
捨てるか、捨てないかを決める基準は、
私たちの都合、損得勘定です。
自分にとって得なら「捨てない」、損なら「捨てる」
それが私たちの基準です。
親鸞聖人が阿弥陀仏の本願を
「摂取不捨の真言」と仰っているのは、
絶対に私を見捨てない願いだからですが、
阿弥陀仏が「絶対捨てない」と誓われていることに、
阿弥陀仏の「都合」は一切ありません。
私を捨てないことが、阿弥陀仏にとって
何の得があるのか、というと、全くない。
ただ与えることだけを考えられ、
苦しみ悩む者を救うことしか頭にないのが、仏の大慈悲です。
この如来の大慈悲を知らされた親鸞聖人は
「如来大悲の恩徳は身を粉にしても報ずべし」
「阿弥陀如来の洪恩は、身を粉にしても報い切れない」
と感泣されたのです。
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