【悪性(2)】
「権力」とは、「自分の思い通りにする力」のことです。
権力がない人は、自分の思い通りには事は運びません。
何かと周りからも反対され、数々の規制も受け、
思った通りには行動できません。
ところが権力者のやることには、周りも悪く言わず、
むしろ称賛され、進んで協力する人も多いので、
思った通りにできます。
邪魔する法の規制があれば、それを改訂して、
自分の望むことを実現させることもできるのが権力です。
思い通りにしたいと志すその人の「思い」が正義ならば、
権力を持つのは良いことではないかとの主張もありますが、
私たち人間の「思い」とは、「正義」と呼べるような、
人に誇れる立派なものでしょうか。
人の物でも自分の物にしたい、
邪魔者はいなくなってほしい、
優れた人を見ると、失敗してほしいと願い、
不幸な人を見ると、面白がる。
そんな醜い「思い」がうごめいているのではないでしょうか。
「いや、おれはそんな醜いことは微塵も思ってない。
私利私欲は一切ない。100%正義を思う心しかない。
だからオレに権力をくれ」
と心底から言っている人がいたら、
自分の醜い心に気付いてもいない人なのだから、
自制する心もないでしょうし、
余計そんな人に権力を与えるのは怖いです。
せめて己の醜い本性を見つめ、権力の魔力を知っており、
危ないものを手にする覚悟のある人でないと、
権力を持つ上の立場に立ってはならないでしょう。
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