【小慈悲(1)】
アフリカの発展途上国には、
天然資源に恵まれてはいても、採掘技術がないために、
世界の最貧困国の一つになっている国が少なくありません。
そこに欧米や中国の企業が利権を求めて群がってきます。
それら外国企業の参入を資源の略奪と捉え、断固拒否する人は
「この国は貧しい。この国がきちんと教育を受け、福祉も整い、
国際社会でも誇りを持って対等に他の国と接するには、
天然資源を自分たちで採掘し、経営していかねばならない。
今のままでは外国に食い尽くされるだけで、
形を変えた植民地と等しい」
と主張します。
しかし一方で反対意見もあります。
「この国には十分な採掘技術がない。
外国企業の力を借りるしかないではないか。
こうしている間にも、子供たちが疫病や飢餓で死んでいる、
彼らを救う薬も食料もこの国にはない。
外国企業の資金援助や補償金を受け、
国民を助けなければならない」
といいます。
いずれの主張も国の発展を願い、
国民のことを思っての意見なので、
お互いが「正義は我にあり」と譲らず、
両者は紛争にまで発展しています。
親鸞聖人は人間の慈悲を
「この慈悲始終なし」と歎異抄にいわれています。
どんなに相手のことを思って、何とか助けたいと努めても、
完成がない、卒業がない、これで完璧ということはない、
必ず様々な問題が出てきて、いびつな面が表出する、
それが人間の慈悲の実態だと教えられています。
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