【諸行無常(1)】
仏教に『諸行無常』という言葉があります。
『諸行』とは「すべてのもの」。
『無常』とは「常が無い」「続かない」こと。
すべてのものは移ろい変わる、
これだけは変わらないというものは世の中にない、
という真理を、仏教では漢字4字で『諸行無常』というのです。
このお盆の時期、帰省された方もあったと思いますが、
久しぶりに故郷の田舎に帰ると、
多くの人が『諸行無常』を実感させられるようです。
子供のころ心浮き立ったにぎやかな商店街は、シャッター街になった。
近所もどこもかしこも空き家だらけ。
旧友も変わってしまった。
久しぶりに老いた親と話すと、もしや認知症かと異変に気付く。
変わったのは周りだけではありません。
通った高校のそばを通ったり、通学する学生の姿を見て、
自分自身も歳を重ねたことを自覚させられます。
二度と戻れない過去に胸しめつけられるようなさびしさが襲い、
無常の世に生きていることを痛感させられます。
長く家族を養いつつ、仕事にいそしみ、
骨身をけずった果てにむかえた老いの坂。
残された日々、ただ朽ちてゆくばかりなのか。
人生の選択肢などもうほとんど残されてもいない。
これから先、何のために生きるのか。
まだ、し残したことがあるのだろうか。
駆け足で過ぎていく日々の喧噪を離れ、
多くの日本人が漠然とした焦燥感、虚しさに駆られるのが、
お盆であり、故郷だとしたら、
これも尊い仏縁につながる日本人の習慣と言えるかも知れません。
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