親鸞に学ぶ幸福論

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ゲノム編集ベビー・デザイナーベビーは人類の尊厳を問うのか

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【人身受け難し(1)】

 

ゲノム編集による「デザイナーベビー」が現実化してきました。

すでに農業の分野では遺伝子の配列を書き換え、

生産性の高い品種を作り出す技術は一般化し、

この夏にもゲノム編集食品は店頭に並ぶ見通しと報道されています。

この技術は作物、家畜だけでなく、人間にも応用でき、

すでに昨年、中国の科学者がゲノムを編集して双子の赤ちゃんを誕生させ、

世界に衝撃を与えました。

 

人は生れたときにさまざまな個性を持って生まれます。

先天的に健康状態、容姿、知能指数、運動神経、みな違い、

私たちはさまざまな運命をいっぺんに受けます。

誰しも屈強な肉体で、頭脳は明晰、才能は豊かに、容姿も端麗で生れてきたかったとは思うものの、

これは人間の力ではどうにもできないことだとし、

キリスト教では「神が与えた運命」としてきました。

才能のことを「ギフト」と呼ぶのも、

ズバ抜けた才能の子供を「神童」と呼ぶのも、そういう理由からです。

 

ところがゲノム編集の技術は、「神の領域」だった誕生時の運命をも

人間がデザインできることを可能にしてしまいました。

森を切り開き、畑を耕し、自らの手で周りの環境を変え、暮らし方を変えてきた人間が、

ついに自分自身の設計図を変えることまでできるようになったのです。

 

先天的な疾患や心身の障害を回避させることができるとなれば、

親ならたとえ大金を投じてもゲノム編集を、と望むでしょうし、

人間の欲は止まりませんから、

ノーベル賞を取れるような頭脳を、女優のような容姿を、金メダルアスリートの才能を、と望むようになり、

デザイナーベビーが誕生します。

ゆくゆくはデザイナーベビーを利用できる人と利用できない人とに分かれ、

貧富の格差は、生まれた子供の先天的な格差となる世界となりそうです。

 

また遺伝子の改変は想定外の結果を生み出す可能性があり、

そのために生まれた子供が苦しむことになるかもしれません。

そしてそれは、その子だけの苦しみではなく、

改悪された遺伝子はその子の子供、孫、子々孫々に受け継がれ、悪影響を与えてしまいます。

両親を非難し、訴える子供も出てくるでしょうし、

その裁判で裁判官はどう判断すればいいのか、

といろいろな問題が勃発しそうです。

 

デザイナーベビーの出現は

「平等」「自由」「リスク」「運命」など、

あらゆる概念を変えてしまうのではないか、と多くの識者が警鐘を鳴らしています。

これはもはや科学者だけでは対応できる問題とは違います。

 


「ナイフはパンを切ることができるが、人を殺すこともできる」

ナイフ自体に善し悪しはないが、それを使う人間の心によって、

便利な道具ともなり、凶器ともなる、という西洋の格言です。

ゲノム編集も同様のことがいえます。

良いものでも悪いものでもありません。

人間がどう使うか、が問題となり、

その時には「人はなぜ生きるのか」「人間の尊厳の理由とは」「運命は何によって決まるのか」

を問う哲学思想が真に求められます。

 

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