【有無同然(1)】
イチローの引退の記者会見の感想を聞かれた横綱白鵬の言葉が印象的でした。
イチローの
「プロに入って最初の2年、1軍に行ったり来たりの時は結構楽しかった。
3年目で急に番付を上げられちゃって、そこから先はずっとしんどかった」
との言葉に白鵬は「共感した」と述べ、
「自分も相撲が楽だったのは、大関、横綱を倒そうとやっていた関脇のときまでだった」
と語っていました。
イチローと白鵬といったら、
もう彼らの記録を破る者は現われないだろうといわれる金字塔を打ち立てたアスリートであり、
球界や角界のみならず、日本のスポーツ界を代表するヒーローですが、
その彼らが「苦しい」と言っているのに、その道の険しさを思い知らされます。
稀勢の里が引退して親方となってからのインタビューをテレビで観た時も
「えっ、これが稀勢の里?」と驚いてしまいました。
表情も温和で、声も明るくて、今までとあまりのギャップだったので。
けがを押して横綱として出場しては負けて途中休場していた、あの険しい表情、
口数少なく、思い詰めたような様子とはうって変わったような穏やかさに、
横綱としてのプレッシャーがいかほどだったか、思い知らされます。
アスリートだけでなく、ビジネスでも、芸能界でも、権力の世界でも、
これはどんな世界でもいえることですが、
その世界で頭角を現すのは並大抵ではありません。
ましてやトップになるのはもっと大変です。
しかしそれ以上に壮絶なのは、そのトップを維持し続けることです。
その苦しさの本当のところは、
イチローや白鵬のような人でないと分からないのかもしれません。
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