【忍辱(2)】
gooランキングのよると「自暴自棄になる瞬間」の第1位は、
「努力が無駄になった時」でした。
家の都合で進学をあきらめたとか、
怪我をして引退勧告を受けたとか、
起業した会社が立ち行かなくなったとか、
それが人一倍努力を重ねてきた人ほど、喪失感はひどく、
すべてを投げ出して、どこかに消えてしまいたい気持ちになるものです。
先回は、そんな時一番大事なのは「忍耐」だと、釈迦の教えを通して話をしました。
忍耐が、その挫折、失敗を、人生の財産に変えるのです。
映画監督、脚本家、役者、作家、ミュージシャンなど、表現する世界に生きる人なら、
「よし、この経験やこのときの心情を表現しよう」
となりますから、間違いなく財産です。
教育界に進む人なら
「いつか失望している人にアドバイスできるように、ここは前向きに乗り越えよう」
と自分の資産となります。
子を持つ親なら、
「子供にも、自分と同じような挫折がある時もあろう。
そんな時、“お父さんはこうしたんだよ”と、子供に恥ずかしくないような行動をとろう。
子供に“お前もこうするんだよ”と、模範を示せるような決断をオレは今するんだ」
と受け止められます。
一見ムダと思える経験をどれだけしてきたか、
実らなかった努力をどれだけ積んできたか、
それもその人の人生の財産といえます。