【両舌(1)】
仏教に「両舌(りょうぜつ)」という言葉があります。
人間の造る罪悪を10にまとめられた『十悪』の一つに数えられます。
二人の間を割いて、仲悪くなるようなことを言うことで、
「離間語」ともいわれます。
仲の良いAさんとBさんがいて、何か面白くないCさん、
「両舌」で、両者の仲を離れさせようとして、Aさんに耳打ちする。
C「ねえねえ、実はね、Bさんがあなたのこと、こんなひどいこと言ってたよ」
A「えっ、ホント??なんでそんなこと」
C「ほんと、ひどいと思った。なんでそんな馬鹿なことを言うのか、ってアタシ腹が立ってきた」
A「よく言うよ、あの子こそ○○だと思ったことあるよ」
C「そうそう!たしかにそういうところ、B子にあると思う。どんなことがあったの?」
A「以前、Bさんがね・・・」
Aさんの語るBさんのマイナス情報をがっつりためこんだCさん、今度はBさんに会って、
C「ねえねえ、Aさんがあなたのこと、こんなふうに言ってたよ」
と言う。
B「ホント?よくあの子、そんな人のこと言えるね」
C「ほんと、ひどいと思った。なんでそんな馬鹿なことを言うのか、ってアタシ腹が立って腹が立って」
B「信じられない。あの子こそ・・・」
そのBさんから仕入れたAさんのマイナス情報、今度はもちろんAさんに針小棒大に言う。
AさんとBさん双方を疑心暗鬼にさせ、仲違いさせるところから、
「離間語」と言われるのです。
AさんとBさんの仲を裂くために、
巧みに言葉を使い分けしますから、「二枚舌」ともいいます。
「○○さんがこんなふうに言ってた」
これは私たちが日常よく言ったり、聞いたりするセリフですが、
こういう言い方の多い人は信用ならない人だと言われます。
たいていそれは言っている本人が思っていることを、
人の名前を使って言っているから、です。
その場にいない人のことを二人で話していると、
たいてい小馬鹿にしたり、非難したり、で盛り上がりがちで、
結局その会話は「両舌」になっていきますので、
気をつけなければなりません。
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