【業界(1)】
私たちは自分の思いを理解してくれない人を
鈍くて、頑固で、思いこみの激しい人、と決めつけてしまいがちです。
しかし必ずしもそうとは限りません。
むしろそう決めつけてしまっている人の方が、
頑固で思いこみの激しい、というケースは少なくありません。
自分の思いを理解してくれない人がおかしいのではない、
理解してもらえないのがむしろ普通の状態なのです。
あなたがどれほど固く心から憂慮し、深刻に問題視している事柄でも、
相手には「それがどうした」としか思えないことはよくあることです。
それどころかそもそも相手にとっては、
その事柄自体存在しないということだってあるのです。
よって相手と交渉する時、説得する際、
まず念頭に置かねばならないのは、
自分の考え、思い、認識が相手の目には入っていない、という現実です。
あなたにはこれほどはっきり見えていることであっても、
相手には全く見えていないことがある、ことをよく自覚しなければなりません。
その出発点を忘れて話を進めるものだから、
だんだん相手がわからず屋に思えてきて、
交渉のテーブルを蹴り、非難したり、けなしたりすることが始まるのです。
ある男が部屋に入ってくるなり「ここは暑いな」と言う。
その時相手が「いや、私は寒いわ」と答えた。
するとその男「これが寒いなんて、君をどうかしてる」と非難し始めたとしたら、
そんな人と一緒に過ごすのはうんざりしそうですが、それと似ています。
自分の見ているものは相手には見えていない。
そして相手の見えているものが自分には見えていない。
その自覚に立つのが、話し合いの第一歩です。
これは国家間やビジネスの交渉や説得だけでなく、
日常の職場や夫婦や親子間でも同じことです。
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