【信心(1)】
日本人は宗教に無関心な人が多く、一般的に「自分たちは信心深くない」と思っています。
約100か国で実施された世界価値観調査でも「自分は信心深いと思うか」の質問に、日本の結果は「信心深い」が14%、「信心深くない」が56%、「無神論者である」が19%で、77カ国の中で最低でした。
ところがです。
日本に住む外国人の多くは「日本人は信心深い」と断言します。
来日当初こそ「無宗教だ」と表明する日本人の言葉を額面通り信じて、無宗教者の多い国なんだなと思うそうですが、長く住んでいると、日本にはかなり宗教的なものが色濃く残っているのがわかるそうです。
たとえば神社での作法に従わなかったり、墓を大事にしないと、まわりから「バチが当たるぞ」と言われるのを見聞きし、これってどんな宗教なんだろう、と思うとのこと。
また家やビルを建築する前に神主を呼んで地鎮祭をするのも外国人が驚く日本の奇異な習慣です。
これは外国人が気付くだけでなく、事実、読売新聞の世論調査によれば「バチが当たることがある」と答えたのは実に76%に上ります。
更にこの傾向は21世紀の今日強まってきており、1958年と2013年を比べると、「あの世を信じる」は20%から40%に倍増しています。
明治時代の廃仏毀釈で仏教が否定され、終戦でそれまで国教だった日本神道が否定され、科学の進歩で神や仏を否定された日本人は、無宗教を自認し、むしろ自負する風潮さえあります。
しかし実はそれは表面的なところであり、今なお先祖のタタリを恐れ、友引の葬式や仏滅の結婚式を避け、葬儀の後は塩をまき、正月には初詣し、お盆には墓参りします。
その姿は、そうとう信心深い心を秘めているといえそうです。
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