浄土宗が「法然、親鸞の師弟関係に不適切な記述がある」として、
高校倫理の教科書に異例の反論をしたことが報道されました。
親鸞聖人が師匠の法然上人の教えを「徹底」「発展」させた、
と解説する教科書の表現に対し、
「これでは法然上人は不徹底で、教えが未完成と受け取れる表現」
と浄土宗が抗議したものです。
一方、親鸞聖人を宗祖とする浄土真宗の東西本願寺は
「ただちに不適当な記述とは思わない」
「不適当とはいえない」という見解を示しました。
教科書発行元の会社は、浄土宗と本願寺の板挟みになって
マスコミの取材申請に「回答は差し控えたい」とした、
という報道でした。
このたびの論争のことを、もし親鸞聖人が知られたら
どう思われるだろうか、と嘆かわしく思います。
なぜなら親鸞聖人ほど法然上人の教えられたことを
そのまま手垢を付けず、
多くの人に伝えようとされた方はなかったからです。
親鸞聖人の主著『 教行信証』は、
法然上人の主著『選択本願念仏集』を解説された御著書です。
『教行信証』を執筆なされた心境を、
「お師匠さまの『選択本願念仏集』のみ教えを、
少しでも早く皆さんにお伝えしたい」
と仰っています。
親鸞聖人は90歳で亡くなるまで、
幾たびも『教行信証』を修正し、加筆され、
絶えず推敲を重ねられた筆跡には、
「命に懸けても、法然上人の御心を正しくお伝えせねばならぬ」
という、一貫した聖人の誓いが、まぶしく光っています。
親鸞聖人は34歳の時、同じ法然門下の法友と
3回も仏法の大論争をされ、法友から孤立されますが、
その論争も、ひとえに法然上人の真意を明らかにしたい、
その思い一つでした。
また親鸞聖人は
「法然上人にだまされて地獄に落ちても後悔しない」
とまで仰っています。
親鸞聖人の、恩師・法然上人に寄せられる信念は、
もはや師匠を深く信ずるという、世間の概念を超えた
深い深い尊敬の念でした。
そのような親鸞聖人の、法然上人へのお気持ちが
あまりにも知られていないのを痛感する報道です。
もっと親鸞聖人のことをお伝えしなければならないと
反省し、奮起させられました。
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