親鸞に学ぶ幸福論

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好きなことを仕事にできたら幸福だと思っている人の見落としていることとは何か

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【有無同然(3)】


「人生の目的は何ですか?」と尋ねられた時、

「好きなことをすること」と答える人は多いです。

特に、好きなことを仕事にできたら最高だ、

と思う人が多いようです。

 

どんなに稼げても、不快で辛いだけの仕事なら、

それは誰だって嫌です。

一方、好きなことであっても稼げなければ、

それでは生活できませんので、それも嫌でしょう。

理想は、「好きなこと」であり、しかも「もうかる」仕事です。

「大好き」かつ「大もうけ」という仕事なら、

最高に幸せだと思いますし、

人生の目的を達成できた、くらいに思うものです。

 

ところが実際に好きなことを仕事にし、

かつ大成功している人が

必ずしも幸福感に満ち足りているかというと、

そうでもない実例が見受けられます。

 

宇多田ヒカルのデビューはセンセーショナルでした。

15歳でデビューし、初めてのアルバムが

世界記録の800万枚。

自らの作詞作曲が最高に評価され、

大の大人が一生働いて手に入れるお金を

わずか16歳で手にしました。

その彼女がその当時、語ったことです。

「私は音楽を作りたい。それを表現したい。

 音楽を作ることによって、私は自由になった。

 でも、ちょっと外を歩いたり、友達と食事に行く自由は

 取り上げられた。すべてが思い通りにはならないのね。

(中略)

 また、自由に出歩きたいな。

 それができないなら、音楽なんて嫌と言いそうなほどに。
 
(『文芸春秋』平成十二年一月)

 

自分のやりたい好きなことで、比類なき成功を収めた彼女は

「私は自由になった」と

今までの不自由さから脱出できた喜びを語ってはいますが、

「ちょっと外を歩いたり、友達と食事に行く自由は取り上げられた」

と口にしています。

ファーストフード店で友達とゆっくりお喋りもできない、

ちょっとそこのコンビニまで、ということもできない、

と不自由を訴えているのですが、

こちらからすると、あれだけ稼いでいるんだから、

別にそれ位の不自由は我慢せい、

そんなことたいしたことないじゃないか、と思いますが、

彼女はそうは思えないようで、

「また、自由に出歩きたいな。

 それができないなら、音楽なんて嫌と言いそうなほどに」

と述べています。

それができないなら、

あの大成功した、大好きな音楽も嫌になるほどだというのですから、

よっぽど彼女にとって大変に辛く、ストレスだったのでしょう。

 

先日このブログ、メルマガに書いたジョン・レノンの言葉を

改めて紹介します。

彼が「悲鳴しか上げない観客に疲れた」と解散したときの心境を

語ったものです。

「有名になれば、自分の思いどおりに活動できると思っていた。

気づいたら……自由は完全に奪われてしまっていた」

 

宇多田ヒカルにしても、ジョン・レノンにしても

自らが求めたものを手に入れた人ですが、

人は何かを手に入れると、

引き換えに何かを失ってしまうものなのでしょう。

ちょうど右肩の荷物を左肩に移し替えると

一時的にはラクになったように感じますが、

やがて今度は左肩が痛くなってくるようなものです。

これが手に入れば幸せと思っていたのに、

やっと手に入れると、今度は別のところで不満や不安が出てくる。

こんな人間の実態を「有無同然」と釈迦は説かれています。

 

どんなに好きで得意なことでも、

仕事にしたら苦しくなるといわれます。

「いい仕事をしているな」と、羨望の目で見られている人でも、

外からは分からない憂苦を抱えているのでしょう。

 

お釈迦さまは、どんな仕事も、

本当の人生の目的ではないと教えられています。

では真の生きる目的とはあるのか

あるとしたらそれは何なのか、

こちらに答えを示しています。

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