【布施(1)】
昭和によく使われた言葉に「4通りの人材」というのがありました。
「人財」「人材」「人在」「人罪」です。
「人財」は、その会社にとって財産と言っていい貴重な社員のこと。
「人材」は、会社に貢献する一般社員。
「人在」は、いないよりましかな、という社員。
「人罪」は会社に置いておくこと自体がマイナスだという人のことです。
今でも企業研修で使ったり、経営者、管理職が口にするケースもあると聞きますが、それはさすがに時代錯誤でないか、と思います。
「あいつは使える」
「あれは何をやらせてもダメだ、使えん奴だ」
と得意顔で部下を評価する上司が昭和にはありました。
そんな横柄なマネジメントが通用した、のんびりした時代だった、ともいえますし、そんな上から目線の経営者でもやって行けた時代だったともいえます。
現在は時代の流れも速く、個客のニーズに沿うためにどうすべきか、あらゆるアイデア、多様性が求められる時代であり、そうでなければ企業が生き残れない時代です
人的資源も限られているので、あれは「人在」だの「人罪」だのと非難している場合ではなく、限られた人的資源でいかに最大の力を発揮するか、経営者こそ頭をフル回転させなければならない時代です。
「組織とは、強みを成果に結びつけつつ、弱みを中和し無害化するための道具である」
マネジメントの研究で知られるドラッカーの言葉です。
言うまでもなく、人には凸凹があります。
対人関係が上手な人、斬新なアイデアの出せる人、几帳面で正確な仕事のできる人、調整力に秀でた人、プレゼンの上手な人、文章を書ける人、デザインができる人、などいろいろあります。
その個性はある分野においては強みとなり、またある分野においては弱みとなります。
組織は社員の強みと弱みを的確に把握し、強みを十二分に発揮してもらい、弱みによって苦しまないようにするためのものだ、とドラッカーはいうのです。
先ほどの「ジンザイ」の話なら、「人材」「人在」「人罪」を「人財」に持っていくのが組織の長たる者の使命といえるかと思います。
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