【利益(りやく)(1)】
今の日本人に「あなたは幸福ですか?」と問うと、
多くの人が「まあまあ幸福です」と答えます。
「健康だし、正社員だし、妻子も元気だし、
そうでない中、頑張っている人もたくさんいるのに、
これで不幸だなんて言ったら罰が当たるだろう」
とでも思うのか「まあまあ幸福です」と返答します。
ところが一方で、おもしろいことに
「あなたは日々の生活に幸福感ありますか」と、
ちょっと問い方を変えるだけで、
「幸福感。。。あまり感じていないですねえ」
という返答になると言うのです。
幸福かと問われれば「まあまあ」。
しかし幸福感はあるか、といわれると「ないなぁ」。
「幸福」と「幸福感」。
(感)の一字が増えると、反応が変わってしまうと言うのだから面白いものです。
私の住む富山県を例に取ってみても
正規雇用者比率、持ち家比率、生活、教育分野での総合ポイントで算出する
幸福度指数ランキングが全国3位の「幸福」な県ですが、
一方で自殺率は都道府県別ランキング8位なので、
「幸福感」には問題ありそうです。
日本全体がそもそもそうです。
1958年から1990年までの高度経済成長期で、
日本人の平均実質所得は5倍に増えました。
ところが1990年の国民の幸福度調査によると、
50年代の日本人の主観的幸福度よりもやや低いという結果でした。
5倍の収入も幸せをもたらしてはくれなかったのです。
物質的な豊かさが幸福感に全く比例しないことを
戦後の日本人は身をもって証明した、といえます。
何をどうすれば私たちは幸福感を味わえるのか、
何をもって幸福といったらいいのか、
幸福の所在がわからなくなりますね。
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