親鸞に学ぶ幸福論

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よどみに浮かぶうたかたの如き人の世

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【泡沫(1)】

 

イスラエル人とパレスチナ人が平和条約が結べない最大の障壁は

イスラエル人がエルサレムの街を分割したがらないところにあります。

ユダヤ民族の永遠の都であるエルサレムを分割するなど絶対に妥協できない、と彼らは主張します。

聖書には神がこう言ったと記されています。

「これはエルサレムだ。わたしはこれを諸国の民の真中に置き、その回りを国々で取り囲ませた」。

カトリック教会はこの一節を根拠に、エルサレムが永遠の都であり、

エルサレムを中心に世界が回っているとする天動説を標榜し、

その永遠の都が異教徒に奪われたのを奪還するのは神の意志であるとし、

約200年にわたって9回もの十字軍遠征を呼びかけました。

永遠の都を護るためなら、これで神の国に行けるのなら、と人々は喜んで犠牲になっていきました。

 

しかし「永遠の都」などというフレーズは、

46億年の地球の歴史からいえばナンセンスです。

人類(ホモサピエンス)は少なくとも10~20万年存在してきたのに対し、

ユダヤ民族は長くても3000年の歴史しか持たず、

これで「永遠」を語る資格は到底ありません。

ところがこの「永遠の都」のためにどれだけ流血の歴史がかの地で流され、

今も続いていることか。

何度、不毛な十字軍遠征がなされたことか。

 

雄大な歴史絵巻といっても、地球の歴史46億年と比べたらほんの一瞬の出来事であり、

ホモサピエンス人類史20万年と比較しても、

ほんのわずかな間の出来事を記録したものに過ぎません。

まして100年足らずの人の命など泡沫(水面に浮かぶ泡)であり、

「永遠」「絶対」「大義」「これだけは譲れない」

と執着している一切も、同じく泡沫(うたかた)です。

方丈記にはこの仏教思想を

「よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし」

と書かれています。

 

 

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