【業(1)】
私たちの祖先、ホモ・サピエンスの登場は、今から約25万年前といわれます。
おおざっぱに、私たちが25歳で子供を産むと計算すると、
最初のホモサピエンスから私たちまで約1万世代になります。
おじいちゃんの、おじいちゃんの、おじいちゃんの、と5千回続けると、
最初のホモ・サピエンスに到達するわけです。
その間、どれだけ多くの人が生まれては死んでいったことか、想像を巡らすと、圧倒されます。
しかもその一人一人の人生に、それぞれの悲喜交々のドラマがあったのです。
当然のことながら「人生」はあなたにとっても、私にとっても、かけがえのないなものです。
しかし何千億という人の誕生と婚姻、出産、死亡の繰り返しの大きなうねりからすると、
私たちの人生はその中でかき消されるほどのほんのひとつの砂粒ほどの出来事にすぎません。
この大きな生死のうねりに思いを馳せると
ふと「なぜ私だけが私なのか」という疑問がふとわいてきませんか。
「オレの心はなぜ隣のおっさんでもなく、中国の13億の一人でもなく、
千年前の平安京でもなく、マンモスを追いかけていた時代でもなく、
別の星の宇宙人でもなく、今、オレのこの肉体にあるのか、
他の人でもよかったように思えるのに、なぜよりによってオレはこの体に今あるのか、
ものすごい数の人間の中で、あるいは生物の中で、
どうしてオレの心はいまここにこの肉体とともにあるのか」
そういう疑問です。
仏教はそれは決して偶然ではないと説かれます。
そうなるにいたった業因があり、
それが縁と結びついて生じた結果ですよ、と説かれています。
「業(ごう)」とはインドの言葉では「カルマ」、日本の言葉でいえば「行為」のことです。
過去の業が原因となって、現在のあなたは今そこにいるのですよ、
とお釈迦様は一貫して説かれています。
「では今、あなたはここで何をしなければならないのか」
これが知りたくなります。
実にこのことこそ、釈迦が一番教えられたかったことです。
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