「100日後に死ぬワニ」というマンガが今度映画化されるそうです。
このマンガ、ちょうど昨年の今ごろだったか話題になり、
私もその時一読したのですが、
仏教に通じる無常感が作品全体に流れていて、
心にしみるものがあったので、当時のブログにそのことを書きました。
ところが今度の映画ではタイトルが「100日間生きたワニ」と改題されたそうです。
理由は「コロナ禍で死を意識する世界になったため」ということなんですが、
「おい、ちょっと待てよ、そのタイトル、変えちゃダメでしょう」と突っ込みたくなりました。
ワニくんが「○○後に死ぬ」ことは読者だけが知っていて、
本人含め、漫画の登場人物の誰も知らず、何気ない日常が過ぎていく
その切なさ、はかなさがあのマンガのテーマなのに、
「100日間生きたワニ」では、
その強烈なメッセージ性が失われるでないですか。
私は、コロナ禍で死を意識する世界なればこそ、
そのままのタイトルであってほしかったと思います。
それにしてもこの度の改題は、
人間がいかに「死」から目を背けていきたい存在であるか、
改めて知らされた思いがしました。
また蓮如上人の白骨の章の一節を思い出されてもきました。
「あわれというも、なかなかおろかなり」
いつ死ぬかわからぬ命を
いつまでも生きられるように錯覚して生きている
人間存在の悲しさ、愚かさへの述懐です。
「死ぬことなんか考えたって何の生産性もない」
「死の話なんかして何か儲かるんか」
と「死」をどうでもいいことと受け流す人類に
お釈迦さまは「生死の一大事」と、
これ以上の大問題は人類にはないと説かれています。
=======================
仏教を分かりやすく体系的に学べる全20回の無料メール講座です。
おもしろそうだなと思われた方はこちらから登録できます。
登録解除もいつでも自由なので、一度お試しに覗いてみてください。